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イベント報告
2019-10-14

2019年9月28-30日 開智日本橋学園中学校2年生「森のフィールドワーク」

9月28日-30日の3日間、開智日本橋学園中学校2年生の「森のフィールドワーク(探究活動)」が富士山麓を舞台に実施されました。NPO富士山ネイチャークラブは昨年に引続き活動をサポートさせて頂きました。開智日本橋学園さんのフィールドワークの特徴は、“生徒主体”の「現地発見、現地解決型」の探究活動にあります。  「観察/疑問  ⇒  仮説  ⇒ 検証 ⇒ 考察/発表」のプロセスを重視し、現地での「事実」に基づいた検証、考察が徹底的に貫かれます。

1日目はガイドウオークで森を観察しながら「疑問(テーマ)」を探ります。

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宿舎に戻るとチーム(全27チーム)ごとに現地で抱いた疑問から本当に知りたいこと、検証してみたいことを徹底的に論議します。「これは本当に自分たちが知りたいテーマか?」 の自問自答を繰り返す。2.5時間の論議でもなかなかまとまらないチームも。しかし、徹底した論議の先に「本気で知りたいこと」が見えてきます。 「2時間、右往左往しましたが最後にストンと落ちました! みんなの気持ちが一つになりました」 と歓声を上げるチームも。 「シカの角研ぎは針葉樹/広葉樹のどちらを好むか」「スコリア土壌と溶岩台地の朴の木の違い」「キノコと自然環境との関係」などなど興味深いテーマが次々に提起されました。

テーマが決まると、明日の活動に向けて、「仮説を立て」、「検証方法」を立案します。21時には全てのチームが明日に向けた準備を完了しました。

 

2日目の午前は、早朝からそれぞれの疑問を解くための「検証活動」を現地で行いました。 「疑問」の対象をありありと観察し、データを集め、検証可能な状況まで追い込んで行きます。現地解決型探究活動の最も重要な場面であり、この活動の結果がその後考察に大きな影響を及ぼします。

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昼食後、まとめ方について校長先生のご指導を頂いた後、いよいよ核心の論議が始まります。疑問に対して、「どのような検証を行ったのか」、その検証から「何を明らかにすることができたのか、まだ明らかにできていないことは何か」その結果「何が考えられるのか、その理由」 をまとめていきます。 まさに最後の踏ん張りどころです。とは言え、まとめに苦労するチームも続出。その時の打開策は「フィールドで確認した事実をありのまま整理してみよう」です。 事実を積み重ねて行くとそこに確信が持てる考察ポイントが必ず浮かび上がってきます。

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まとめ作業に入る前、意気が高まるサポートスタッフ(控え室にて)

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最終日(3日目)の発表会に向けて発表資料の作成完了までが今夜の命題。 発表資料の作成に当たっては聞く人の立場に立って「簡潔に、分かり安く」を徹底的に論議します。 21時ごろにはチームごとに創意工夫に満ちた発表資料が出来上がりました。

3日目は全27チームの探究結果の発表が行われました。「疑問」を解くために「個としてチームとしてどこまで本気で考えたか」が問われましたが、大勢は「やりきった!」ことを裏付けるように自信に満ちた発表(内7チームは英文での発表)が続きました。 事実に基づく検証、考察には説得力があり、大きな感動をもたらしました。

 

富士山麓の森を舞台に実施された「森のフィールドワーク」、生徒さん一人一人が持ってる力を精一杯発揮出来たと言えましょう。明日からでも「実社会」の具体的な問題解決に取り組めるのでは・・・・・そのようなことを予感させる3日間でした。3年生になる来年は、いよいよ舞台を都市に移して実社会に潜在する目に見えない疑問点を探究します。

<リポート 田中>

 

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