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2021-03-26 | Blog, イベント報告

2021年3月17日 洗足学園中学校1年生「富士山のふしぎ」探究学習発表会 

 洗足学園中学校1年生は、総合学習の課題として「富士山のふしぎ」をテーマにした探究学習に取組んで来ました。その一環として3月に富士山麓で「フィールドワーク」を計画され、NPO法人富士山ネイチャークラブがその活動をサポートさせて頂く予定になっていました。生徒さんたちも我々スタッフも大変楽しみにしていましたが、新型コロナウイルスの状況判断で残念ながらフィールドワークが中止となりました。

 フィールドワークは中止になりましたが、生徒さん達はその後も「富士山のふしぎ」に関する探究学習を継続し、その集大成として各クラスの代表グループによる成果発表会が3月17日、学園の大講堂で実施されました。250名を超える全学年の生徒様と共にNPO法人富士山ネイチャークラブの田中と舟津川も発表会に参加させて頂きました。合わせてNO.1のチームを決める「審査員」の役目も担当させて頂きました。

 「日本一の富士山」は、生徒さん達の関心が非常に高く、多角的かつ多様な視点から「ふしぎ」を提起し、その「ふしぎ」が次々に解き明かされて行きました。説得力のある論調、工夫に満ちたプレゼン資料、堂々とした発表態度、などなど探究活動の成果がいかんなく発揮された発表会でした。以下「富士山のふしぎ」の一例をご紹介します。  

・富士山が見える範囲はどこか

・女人禁制のなぜ

・富士山、雪の境目の正体

・富士の湧水が美味しい理由

・富士山に高山植物が少ないのはなぜか

・富士山の雲と天候の関係

・富士山はなぜ青く見えるのか

・富士山はなぜ日本の象徴なのか

・勝海舟はなぜ洗足池の近くに自分の墓を建てたのか

・富士山は噴火するか

・冬の方が夏よりも富士山が良く見える理由

・世界文化遺産に登録された理由は何か・・・歴史的検証

・富士山は山梨県? 静岡県?

・富士山の高さは測り始めてから何回も数字が変わっているのはなぜ                                                                               

本気で「ふしぎ」を探し、本気でその謎を解き明かし、そして多くの仲間と共有する・・・、生徒さん達は達成感で一杯になったことでしょう。

発表会に続き私共から富士山についてレクチャー(講演)させて頂きました。

第1部「富士山講話」・・・富士山を学んで自然のことを考えよう         <富士山の成り立ち、植生、動物、湧水、バリバリの活火山、環境問題など>

第2部「命を育む森 青木ヶ原樹海」・・・自然の仕組を知ることから始めよう   <樹海の成り立ち、溶岩洞穴、植物、動物、菌類、命をつなぐ自然の仕組など>

 生徒さん達は富士山について相当な調査や分析をされてきましたが、この講演で更に理解を深めることが出来たら幸いです。将来どんな職業に就こうが自然と無縁でいることは出来ません。今後、生徒さん達が「自然にどう向き合って行くか!」「自然にどう関わって行くか!」そんな期待を胸に学園を後にしました。

 *講演の様子を写真でご紹介いたします。

会場となった900人以上の収容能力を持つ大講堂。

参考情報>

洗足学園中学高等学校様のサイト情報 

https://www.senzoku-gakuen.ed.jp/

<リポート 田中>

富士山御庭と奥庭の晩秋 2020.10.24

五合目の紅葉もそろそろ見納めの頃になりました。

<リポート: 田中>

富士山お中道の秋景色 2020.10.13 

 紅葉が始まった富士山のスバルライン五合目へスタッフと行ってきました。この数週間ですっかり秋の景色に変わり、紅葉が美しい季節になりました。

 歩き始めは五合目付近は霧の中。富士山頂は残念ながら拝めず、斜面を彩るイタドリやオンダテの草紅葉も見えません。ただ、落ち葉の遊歩道の脇には、ナナカマドのきれいな赤い実と同じく赤く染まった葉、黄色くなったカラマツなどの紅葉を楽しむことができます。

 帰り際には、待望の富士山が顔を出し山肌の草紅葉も見事でした。紅葉は一気に進み、富士山五合目お中道散策は見ごろを迎えています。

ナナカマドの枝に下がる地衣類のサルオガセ
遊歩道は落ち葉で彩られミヤマハンノキの芽から甘い香りがただよう
カラマツの黄葉
斜面はカラマツの幼樹や草本類で秋の色に
ドライフラワーのようになっているイタドリの花
変わった模様のテントウムシ発見
赤い溶岩台地も黄色く染まっている

<リポート:関口>

 

三方分山ルート調査 2020.10.6

 精進湖畔から楽しめる山歩きコースのひとつ「三方分山」へスタッフ6人でルート調査に行ってきました。まずは、精進諏訪神社で登山の安全祈願から。毎年、元旦は精進湖から初日の出を拝み、精進諏訪神社にお参りするメンバーもいて、歴史ある神社です。国の天然記念物にも指定されている「精進の大杉」があり、その幹回りに圧倒されました。樹齢1200年と言われ、富士山の噴火も眺めたかもしれません。

精進湖畔から左回りのコース
精進の大杉
精進諏訪神社

 神社を過ぎれば、いよいよ登山道。三方分山(標高1422m)は御坂山地の西端に位置し、約1000万年前に海底から隆起した山です。堆積岩の断面が露出しており、ダイナミックな隆起の様子が確認出来ます。今年は自由に登山ができず、久しぶりの山行というメンバーばかり。急斜面もある道に四苦八苦しながらも、美しいトリカブトの花に導かれながら、歩き続けました。ちょうど紫色の花が満開で猛毒が隠されている植物だとは思えないほどきれいでした。また、ブナの枯れ木に折り重なるように生えていたツキヨタケも、つやつやとしていてとても新鮮そうでしたが、残念ながらこちらもいわゆる毒キノコ。間違えて採取する人が絶えない危険なキノコです。ブナ、ミズナラなどの広葉樹の森歩きはとても心地よく、ドングリもたくさん落ちていました。

露出した積層岩と石仏
トリカブト
ツキヨタケ

 最後の急斜面を登ると、女坂峠に到着。そして稜線歩きになり、三方分山山頂へ。山頂からの富士山の眺めは、残念ながら、曇り空で叶いませんでしたが、精進湖は見ることができました。下山ルートは急坂もあり、またも四苦八苦しながらでしたが、分岐点のひとつ精進峠にたどり着き、ゴールの精進湖畔へと戻ってきました。 

精進湖
リンドウ

 標高差510m、約5時間のコースでしたが、全身をつかって汗をかきながらの山歩きはとてもすがすがしい気持ちになれました。下山中にはリンドウも見つけ、自然の花にも癒された一日になりました。

 本日のルート調査で得られた情報を整理して、今後、新たなツアーコースとして紹介していきたいと思います。

<リポート:関口>

2020-10-04 | Blog, 富士山自然便り

富士山のキノコたち

10月初旬、富士山2-3合目で見つけた可愛いキノコたちを紹介いたします。この中には猛毒なキノコもありますよ。

アカモミタケ
カベンタケ
キツネタケの仲間
シロヌメリイグチ
シロハツの仲間
テングタケの仲間
ナラタケ1
ナラタケ2
ハナイグチ
ベニタケの仲間
ベニハナイグチ
ホコリタケ
マスタケ
ヤマイグチ

<リポート 田中>

2020.9.22 草木染の不思議

自然体験活動のプログラムとして、長年「草木染め体験」を提供してきました。しかし色の出し方については、諸条件が影響して、必ずしも狙った色が出せるかと言うと、そうはなっていません。とりわけ、媒染液の種類によって発色が大きく異なることが分かっています。

試行錯誤の積み重ねが重要で、今回は染め液に「セイダカアワダチソウ」と「クリの渋皮」を、媒染液に「ミョウバン」と「石灰液」を組み合わせて見ました。

結果は写真の通りです。

左から 「セイダカアワダチソウ」と「ミョウバン」「セイダカアワダチソウ」と「石灰液」「クリの渋皮」と「ミョウバン」「クリの渋皮」と「石灰液」の組合せです。こんなにも発色に違いが出ます。不思議ですね。(本番では模様を付けますので更にイメージが良くなります。)

皆さんはどの色がお好きですか?

<リポート:田中>

2020年8月29日 富士山5合目・スタッフ自然観察 その2

まだまだ残暑が厳しい中、富士山お中道へ下見に行きました。さすが、標高2300メートル、吹く風もさわやか、空気も澄んでいて、大いにリフレッシュできました。

 この日はお中道の御庭、奥庭と呼ばれている場所を歩きました。コメツガやカラマツなどの針葉樹が、高く伸びるのではなく、横に枝を伸ばした様子は、まるで大きな盆栽のよう。しかし、これは、富士山に吹く北西の強い風と、雪のために木が耐えに耐えた姿なのです。

 そして、この御庭付近のみどころには、火口列もあります。富士山は山頂からだけでなく、山の中腹からも噴火していて、その火口列が山頂にむかって、6、7個見られるのです。当時のダイナミックな噴火の様子を想像しながら歩くことができます。

溶岩には地衣類やコケが生えていて、土壌ができていないところから、コケ類→草本→樹木への植生遷移も観察できます。地衣類のミヤマハナゴケはそっと触るとふわふわとしていて水分を含み、溶岩に水分を蓄えているのだと感じます。

暑さが早く去っていかないかとばかり考えてしまいますが、秋の気配も少しずつ見えてきました。コケモモの実が赤くなり、オンダテやイタドリ、カラマツの紅葉を楽しみにしたいと思います。

<リポート 関口>

2020年8月26日 富士山5合目・スタッフ自然観察

今年は新型コロナ対策で富士登山ルートが全面的に閉鎖されていますが、スバルラインルートは5合目まで行くことが出来ます。スタッフ数人で今年初めて富士山に。限られた時間の中、5合目付近の自然観察を行ってきました。そこにはいつもの夏の富士山がありました。

どっしり構える富士の山容。荒々しい山肌、深緑の樹林帯、植生の営み、ダイナミックな眼下の眺望、そしてすがすがしい風・・・・・。 元気になるエネルギーをたくさん頂いて、富士山を後にしました。

ハクサンシャクナゲ 来年の花芽
コケモモ 秋には実が赤黒く熟します
メイゲツソウ
ミヤマハナゴケ
シャクジョウソウ
河口湖方面
火口列の火口付近

<リポート 田中>

2020年8月22日 青木ヶ原樹海スタッフ下見  

新型コロナウイルスの影響で、今年前半の自然体験活動はほとんどがキャンセルとなりましたが、後半となる9月以降は少しずつ活動が動き出します。

今日は後半戦に備えて久々の樹海でスタッフ下見を行いました。学年ごとに学校で履修する内容を想定しながら、それらの内容と出来るだけ関連付けて現地現物を観察して頂きます。

溶岩台地の生立ち、そこに息づく植生やその変遷、動物たちの営み、それらがお互いに関わり合って共存している様子が観察出来ます。やはり樹海の自然は生きた教科書そのものですね。

残年ながらこの時期は、花の種類は少なく、確認出来たのは「ヒメミヤマウヅラ」だけでしたが、樹海で「フクロウ」の羽が見つかったのは珍しい出来事でした。それにしても綺麗な羽ですね。

9月以降、自然体験ツアーを実施するに当たって、サポートする我々のコロナウイルス対策も万全を期さなければなりません。日々の検温や体調の記録を継続するとともに、生徒さんを含めたソーシャルディスタンスの取り方、フェースシールドの装着など、新たなツアーのスタイルがスタートします。

ヒメミヤマウヅラ (ピンぼけで失礼)
フクロウの羽

<リポート 田中>

2020-08-12 | Blog, 富士山自然便り

8月の富士山麓・花便り

8月中旬、富士山麓の草原に「ユウスゲ」が咲き始めました。他にも夏の花々が一斉に先咲き競い、まさに広大な自然の花畑!! 

ユウスゲは夕方から一斉に開き始めます。薄暮の草原に揺れる黄色い花の群生は圧巻です。

<リポート 田中> 

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