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富士山自然便り
2016-11-11

晩秋の桂川(忍野)水めぐり

忍野を流れる「桂川」は、富士や近郊の山々の湧水を源とする透き通った水が流れ、そして自然のままの姿・情景を保ち、また多くの恵みも提供しています。秋深まるこの季節の魅力をご紹介します。学校関係の体験学習コースとしてもお奨めしているコースですが、プライベート探索コースとしても大変お奨めです。色々な発見に遭遇することが出来ます。

「富士と湧水」「水と生活(水の活用)」「川底が見える澄んだ水」「溶岩流と地形」「噴火口(大臼、小臼)と川の流れ」「川底の土壌構成」「理論的に蛇行する自然の川」「渓畔林」「水生植物」「水生動物、水鳥」「川の3作用(浸食、運搬、堆積)の状況」・・・などなど自然の川の営みが手に取るように確認できます。

「おしの公園→湧水の里水族館→忍野八海」をゆっくり歩いて1.5時間程度。スタート地点のおしの公園の目の前にある川が「桂川」です。川岸に近づくと護岸工事のない自然の川の姿が現れる。生き物たちが住み易い川だと直感できる。

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小橋を渡って対岸に進みます。 その先に現れる川の情景は自然そのもの、ずっと見ていても飽きない。心が癒やされる光景だ。

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サワグルミ、オニグルミ、ミズキ、クリ、カツラ、コブシなどの「渓畔林」が美しい。

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急な流れ、穏やかな流れ、蛇行する流れ、全てが自然の川の営みです。

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中間点となる「湧水の里水族館」はこの写真の右側になります。

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後半は、水族館の前の橋を左に渡って再び川岸の小道に入ります。透き通った川の水は、川底がはっきり見える。魚の姿(コイ、ニジマス、ヤマメなど)もはっきり確認できる。

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桂川にはいくつもの川が合流しています。写真は桂川(右側)と新名庄川(左側)の合流地点。桂川の水量は10倍程度あるように見える。本流とする所以でしょう。

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さらに進んで行くと、忍野八海最初の湧水「お釜池」が現れる。小さな湧水池だがそれでも毎秒ドラム缶1本分の水が湧き出ている。付近には「梅花藻」が水中を泳ぐように植生している。残念ながら11月は花の時期が終了している。

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さらに上流に向かうと、新名庄川(左側)と阿原川(右側:忍野湧水)の合流ポイントがある。水温は5度Cくらいの差がある。このコースはここでゴールとなります。ここから先は観光客で騒然としており、自然探索には馴染まない。

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湧水は昔も今も大きな恵みをもたらしています。昔は水車を回して粉ひきの動力として、また飲料水・生活水として、農業用水として、魚の養殖水として、水力発電(忍野に2ヶ所)の水として・・・重要な役割を担って来ました。富士山信仰の信者の禊ぎの場としても重要な役割りを果たしてきました。桂川(湧水)は相模川を下り、神奈川県立寒川取水場から湘南地域の水道水として供給されていることも知っておきたい。川の自然と機能(役目)が見事に両立している姿である。

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