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Blog, イベント報告
2022-05-03

2022年4月20、21日 大妻多摩中学校1年生「オリエンテーション」体験活動

  入学してまだ2週間の、初々しい大妻多摩中学校1年生132人が「オリエンテーション旅行」で富士山麓にいらっしゃいました。中学生生活のスタートにあたり、大妻多摩生としての心構えや教育理念を学ぶと共に、人間関係作り、またクラス・学年の親睦・交流を図る3日間の活動を通して、「主体的、対話的で深い学び」を展開する目的です。

  NPO法人富士山ネイチャークラブは、この目的の実現に向けて「人間関係作り、クラス・学年の親睦・交流を図る活動」そして「日本の象徴である富士山を学び、青木ヶ原樹海の探究ツアーを体験しながら持続可能な未来を考える活動」をサポートさせて頂きました。

  プログラムの内容と活動の模様をご紹介いたします。

■1日目午後:チームビルディング活動・・・第1部「アイスブレイクゲーム」 第2部「ネイチャーラリー」

*このチームビルディング活動は、第1部、第2部を合わせてクラス対抗戦となっています。

  第1部の「アイスブレイクゲーム」は、入学してまだ2週間と、顔見知りになった学友が限られる段階で一気にクラスを超えて学年全体の親睦・連帯を図る活動です。最初の「挨拶ゲーム」は、学年全体(132人)で誕生月の異なる12人を見つけ、挨拶するゲームです。大きな声で「**月生まれの人いませんかー!」と叫びながら対象の生徒を必死に探す様は、まるで学年全体が「大きな渦」のような状態となりました。制限時間中にクラス単位で何人と挨拶出来かを競います。続いて行った「富士山クイズ YES/NO」では、富士山関する色々な分野(基本知識、自然、文化/信仰、など)のクイズに答え、正解し続けた人数を競います。これらの活動を通して、身も心も開放すると共に生徒さん一人一人が主体的・対話的活動により、多くの仲間との出会いが実現しました。

  第2部ではチーム(5,6人構成)単位で挑戦する「ネイチャーラリー」です。このプログラムは、自然の中で生きていくために必要な要素を原始の時代に遡って原体験する活動です。食料を確保するための「ハンター」、「足跡から動物探し」、「サイレントウオーク」、「食べられる植物を探せ」、 また自然界にはあり得ない物を見極める「カモフラージュ」、重さの感覚を試す「重さ当て」、その他「丸太切り」などなど、グループメンバー全員の知恵と感性(五感)をフル活用して1点でも多い得点獲得に挑戦しました。

“ハンター(ヤリ投げ)では1回目では1点しか取れなかったが、2回目は9点取れました”

“時間内に1点でも多く得点を上積みしたいので、次のポイントまで全力で走ります”

“私達のグループは得点が少なく、このままではクラスに貢献出来ない、残り時間全力で頑張ります”

“サイレントウオークは満点(10点)が取れた。戦略が上手くいった”

と、色々な声が聞こえてきました。

  グループ一丸となった熱い思いは、態度や行動に表れ、更には創意工夫を生み出し、そして見事に結果に繋げて行く姿は、圧巻でした。 優勝した2組の皆さん、おめでとうございました。

■2日目午前 「富士山講話」

  新入生の「オリエンテーション」を富士山の麓で実施する意義はとても大きなものがあります。富士山を学ぶこと、体験することから多くの知見や課題を発見することが出来ます。「富士山講話」と題して、富士山の歴史、自然(動植物)、信仰/文化、恩恵とリスク、などなど多角的に富士山の現状をFNCスタッフの田中がお話しさせて頂きました。そして自然豊かな富士山にも、「自然の営み」を脅かす様々な環境問題が顕在化していること、そしてその課題は日本全体、世界全体に通じる内容であることなどを生徒さん達と共有出来たと思います。生徒さん一人一人が将来どんな職業/仕事に携わるにしても、「自然や環境」と無縁で活動することは出来ないでしょう。生徒さん達が「富士山から持続可能な世界を考える」そんな機会となったならばとても幸いです。

2日目午後「青木ヶ原樹海自然探究ツアー」

  クラス別に「富岳風穴―鳴沢氷穴(入洞)コース」のガイドツアーを実施いたしました。生徒さんに聞いたところ、富士山や青木ヶ原樹海に来たことのある生徒さんは1割以下で、大多数の生徒さんは初めての体験となりました。溶岩台地の荒々しい姿、その厳しい環境にあっても力強く成長する原生林の姿に歓声が上がりました。植生の他にも、動物の痕跡や、森の営みに欠かせない菌類の存在も観察出来ました。頭でイメージしていた“青木ヶ原樹海”と実際に現地で見た“青木ヶ原樹海”には、大きな違いがあったとのコメントもありました。自分の目で確認出来たことは事実そのもの、体験活動の醍醐味ですね。

最後に

  今回、大妻多摩中学校新入生の「オリエンテーション」の一環として、チームビルディング活動、自然探究ツアーなどをサポートさせて頂きましたが、生徒さん達の礼儀・笑顔がとても印象的でした。また、何事にも積極果敢に取組む姿は、大妻多摩生としての自信の表れだったと思います。サポートしたスタッフからも「本当にすがすがしい生徒さん達だった」との声が多くありました。

  大妻多摩中学高等学校様は、教育理念として「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」を3つの柱として掲げられています。今回の活動サポートがその一助になったとしたら幸いです。

<リポート 田中>

■参考情報

大妻多摩中学高等学校 サイト情報

https://www.otsuma-tama.ed.jp/

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