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Blog, イベント報告
2022-10-01

2022年9月8~9日 武蔵野市立桜野小学校4年生 「富士山お中道自然探究学習」 

  学びのスタイルとして重視されつつある「探究学習」。桜野小学校4年生の子どもたちが富士山のお中道をフィールドに「自然探究学習」を実施しました。NPO法人富士山ネイチャークラブは、企画段階から参加し活動全体をサポートさせて頂きました。

  これまでも桜野小学校4年生の「お中道ツアー」をガイドさせて頂ききましたが、本格的な「探究学習」は初めてです。学校様の方針に沿って学校様と綿密に準備を進めてきました。まずはお中道を訪れる前に、オンラインでの「富士山自然講座」から探究学習をスタート。オンラインでの情報を基に富士山の「知りたいこと(疑問)」をグループで論義し大テーマを決定。更には大テーマに沿って一人一人が自分の「知りたいこと」を掲げ、そのテーマについて学内で事前調査を重ねて来ました。「知りたいこと」の内容は多岐に渡りました。

「ヒガラの名前の由来は?」

「ホシガラスの生態は?」

「なぜ木の皮がボロボロになるの?」

「菌類ってどんなかたちしているの?」

「カブトムシはいるの?」

「ハナヒリノキって鼻がヒリヒリするの?」

「なぜ噴火するのか?」

「なぜ富士山は今の形になったのか?」

「火山灰ってどこまで飛ぶの?」「火山灰は何で出来ているか?」

「富士山にはどんな動物がいるの?」

「リスの食べ物は何か?」

  などなど、子どもたちの疑問はどんどん膨れ上がっていきました。ふだんガイドをしている私たちもハッとさせられるものがたくさんあり、本番に向けて現地調査や活動に役立ちそうな資料を準備し、本番に備えました。

  そしていよいよ本番を迎えた日、前日から雨模様で富士山にも雲がかかっていましたが、スタートするころには雨が上がり、無事「探究学習」が実施できました。

  オープニングではガイドの紹介や注意事項を共有していよいよ「探究学習」に出発です。今回はクラス別の活動ではなく、「知りたいこと」のテーマ別に活動グループが構成されました。

  実際に目の前にした富士山はとても大きく、「いつも遊んでいる公園とは木とかが違う」と話す子どもたちにはお中道の自然はとても新鮮なようでした。

  ガイドはそれぞれのグループ単位に一人一人の「知りたいこと」の検証が出来るように、対象の自然現象をレクチャーしました。その間、子ども達から沢山の質問が寄せられ、あっと言う間に時間が経過していきました。

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  自分のテ-マ以外でも、雲海を見下ろしたり、強風で片側に枝が生えていないカラマツに驚いたり、くねくね地面をはうように育つ木を珍しがったり、木にぶらさがる不思議な長い植物に関心を抱いたり、キノコを次々見つけて楽しんだりと、五合目の自然をたくさん発見していきました。

  昼食は間近に迫る富士山やダイナミックな雲海を眺めながら頂ききました。

  昼食後、再度探究グループに分かれて、「自然探究学習」の振返り&レクチャーを行いました。午前中に検証できたこと、検証が不足している所などを再確認し、その内容を探究ノートに細かく記録しました。スケッチも沢山書き込みました。

  当日の夜は宿舎で「探究学習の振返り」を行いました。多くの子供達から次々に質問が寄せられ、1時間もあっという間でした。富士山のふしぎを私たちも一緒にたくさん学ぶことができました。

  更に、翌日の夜は「発表資料の作成」を行いました。学内に戻ってからの「発表会」に向けた準備です。今回の探究学習のゴールとなる活動です。子供達が疲れていることは明白でしたが最後までやり切りました。その時の子供達の笑顔がとても印象的でした。

  幼児期は「なんで虹がでるの?」「なんで人は死ぬの?」などなど、「なぜなぜ期」を通ってきます。でもこのなぜなぜ期は、ずっと続いていて、それが学びへとつながって行きます。社会人になってもなぜなぜ活動は続きます。その解決で社会に貢献して行きます。

  探究学習はこの「なぜ」から始まりますが、その疑問を検証するためには観察眼が求められ、答えに近づくためには想像力が求められます。そしてまとめ作業では論理的な思考が求められます。探究学習に含まれる学びの奥深さを深く感じました。

  学校に帰ったら、3年生に向けた発表会が予定されています。次へとバトンが渡さる発表会もまた素晴らしいことです。来年はまた新たな疑問をぶつけてくるだろう桜野小のみなさんを私たちは待っています。

<リポート 関口、田中> 

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