2023年10月26日 杉並区立高円寺学園小学部5学年 山中湖移動教室「明神山登山」
杉並区立小学校の内、24校が今年から山中湖移動教室を6月~10月にかけて順次実施されてきました。紅葉が真っ盛りとなった10月26日、本年度最後の実施校となった高円寺学園小学部5年生の子供たちが「明神山登山」」に挑戦しました。青空が広がる中、富士山も綺麗に見えて、絶好の登山日和になりました。
歩き始めると、いきなり多くの子供達から「あー空気が美味しい!」との声が・・・その敏感な感覚にビックリ、気分爽快の中、これから始まる登山への期待が高まり、声が弾んでいました。先ずは富士山を背後に平坦な道を登山道入口までゆっくり進んで行きます。歩き始めると徐々に体も温まってきました。

道沿いには、銀色に光る「ススキ」が我々を出迎えてくれました。秋の風情を感じながら山に向かって行きます。

登山道の入口では環境指標植物と言われる「サルオガセ」も観察しました。サルオガセは地衣類ですが空気中の水滴からミネラルなどを養分にして生きている植物です。綺麗な空気の所でないと生きられない植物です。「東京でも見られるようになるといいね」との話で盛り上がりました。

「マムシ草」の真っ赤な実が見つかると「トウモロコシみたいで美味しそう!」との声が、「いやいやこれは毒があるから気をつけて下さい」とのガイドの説明に「ビックリしたー」。

紫の花を見て「綺麗!これは何と言う花ですか?」「トリカブトですがこちらはもっと猛毒ですよ」の説明に、「綺麗な花には毒があるのかぁ」の声も。植物観察をしながら登山道を更に登っていきます。

山梨県と神奈川県の堺にある「切通峠」を経て、明神山の尾根に到着しました。ここからこのコースの難所(急な登り)を攻めていきます。ガイドから疲れない登り方などについてのアドバイスがありました。


急な登りでは、水分補給休憩をこまめに取って、疲労を防ぎ、体調を維持します。そしてまたゆっくり登って行きます。


40分ほどの急な登りが終わると、ここからは歩きやすい道が続きます。その道沿いには真っ赤な実を付けた「ガマズミ」や「マユミ」、可憐な「リンドウ」、美味しそうな「キノコ」たちが秋の風情を演出していました。





イノシシのお風呂場「ヌタ場」には、イノシシの毛がいっぱい見つかりました。登山道の入口ではシカの骨が散乱している現場も観察しました。豊かな森には多くの野生動物が生きていることが確認出来ました。
木漏れ日の森では、先生も子供達も地面に寝転んで紅葉を見上げました。「こんな体験は都会では出来ない!」「動きたくない!!」との声が。

歩き始めて2.5時間、一気に眺望が開ける「明神山」山頂に到着しました。富士山、山中湖、御坂山系、その先には南アルプスなどなど、圧巻の展望が広がっていました。子供たちの疲れは一気に吹っ飛んだ様子で、感動の笑顔や歓声に溢れていました。思い思いの場所でお弁当を食べ、時間が許されるまでこの空間に浸りました。


あっという間に時間が過ぎ、下りを開始する時間になりました。ガイドから下り坂のレクチャーを受けて明神山山頂に別れを告げました。

下り道一面に広がる「銀色のススキ」見て、「ススキの海を泳いでみたい!」との声も。詩的だなー。

小学5年生80余名の「明神山登山」は、全員が元気よくゴールに到着して終了となりました。本年度最後の実施校となった高円寺学園小学部5年生の皆さん本当にお疲れ様でした。この体験を今後の学校生活に是非活かして下さいね。そして、これからも色々な体験を積み重ねて成長の機会として下さい。
<リポート 田中>