2024年5月27日 横浜市立領家中学校「洞窟探検」
富士山麓には溶岩流が作り出した溶岩洞窟が70個以上あることが確認されています。まだ発見されていない洞窟も含めると、実際には100個以上あるとも見られています。洞窟の形(大きさ、長さ、深さ)はすべて異なり、その造形美は、とても感動的です。
横浜市立領家中学校の生徒さん(138名)が、青木ヶ原溶岩台地の一角で「洞窟探険」を体験しました。今回は6つのポイントを設定、「4つの洞窟体験+2つの自然解説」でローテーションを回しすべての生徒さんに全ポイントを体験して頂きました。
各ポイントの活動の模様をご紹介します。
■ポイント1: 4つの洞窟の中では一番大きな洞窟で立って歩くことが出来ます。
一足中に踏み入れると冷たい空気が漂い、天井からぶらさがる木の根や菌類の様子を興味深く観察したり、溶岩棚の形成について意見交換しました。天井は沢山の水滴が光ってとても綺麗です。玄武岩の小さな穴に水が浸みています。
■ポイント2: 幅も高さも狭い穴を抜けていきます。
「洞窟の中でも虫が生きている」「水滴が付いてキラキラしている蜘蛛の巣がきれいだった」「金色に光る菌が天井いっぱいに散りばめられていて、綺麗!」などなど、色々な気付きがありました。
地上に出てきました。頑張りました!
■ポイント3: 溶岩の自然解説
溶岩洞窟を目の前にして「青木ヶ原樹海と貞観噴火」について解説いたしました。生徒さんはすでに地学で岩石を習っていて「玄武岩」をご存じでした。「月も玄武岩で出来ているよ」との説明に「富士山も月も同じ玄武岩なんだ!」と感嘆の声が。
■ポイント4: 出口は2箇所、どちらの出口もとっても狭い洞窟
「え~ここを行くの?」「行けるかなあ?」「大丈夫?」と最初は自信のなそうな声ばかり。ガイドが抜けていくコツを伝授すると、さすがに体が柔らかい中学生、次から次から進んで行きます。
地上に出る穴は小さいが、足場と腕力を使って無事帰還出来ました。
■ポイント5: 富士山や樹海に生息する動物たちの解説
富士山の山麓には沢山の動物が生息していることを学びました。実物の鹿の角2本を持って「こんなに重いんだ!」とビックリ。カモシカの角も実物で確認しましたが、富士山に「カモシカがいることを初めて知った」との声も。また夕方になるとこの洞窟にコウモリが飛び交うことをお話しすると「夕方にもう一度来てみたい」と好奇心いっぱいでした。
■ポイント6: 一番高さがない洞窟
入口は狭いが内部は広間のような感じ、でも天井が低く這って奥まで進みます。木の根っ子が岩を突き抜けている姿、洞窟に差し込む小さな光に感動の声が上がっていました。
■最後に
4つの洞窟はそれぞれに特徴があり、また、探険の苦労もそれぞれでした。「溶岩流」「動物」の解説ポイントを合せ、溶岩流が作り出した洞窟の自然美、造形美を楽しみながら、洞窟の成立ち、そこに生きる樹木、動物、昆虫等を観察することが出来ました。実体験は「考えていたこと」から「確信」に変わる瞬間です。生徒さん一人一人がその瞬間を多くの仲間と共有出来たことはとても有意義な活動になったと思います。領家中学校の皆さま、また富士山麓でお会いしましょう。
<リポート 田中>