2024年5月22-24日 湘南学園小学校4年生「山の学校」
藤沢市にある湘南学園小学校の4年生(約100名)が富士山およびその周辺で「山の学校」を開校しました。その3日間の活動をNPO法人富士山ネイチャークラブがサポートいたしました。
■「事前学習講座」
「山の学校」の初日(5月22日)に取組む学習プログラムが「富士山お中道 探求学習」です。本番を前に、5月10日スタッフが学校にお伺いして「事前学習講座 富士山の紹介」を実施しました。富士山五合目(お中道)の様子を紹介しながら、「探求テーマの発掘」を行いました。学校での事前学習が進んでいたこともあり、沢山の質疑応答がありました。講話を聞きながら探求ノートに「疑問」がいっぱい書き出されました。
■1日目「お中道探求学習」
「事前学習講座」から12日後、いよいよ現地(富士山五合目お中道)での探求活動が行われました。明るい雲が立ち込める富士山の五合目で、生徒さんたちをお迎えし、お中道と呼ばれてきた修験の道を3キロほど探索しました。
キクイタダキやメボソムシクイなど、鳥の美しい鳴き声を聞きながら、それぞれの感性で気づいたこと、不思議に思ったことを大切に、ガイドスタッフの説明とともに探求していきます。玄武岩質のマグマに由来する赤や黒のスコリアの生成の違い、溶岩流や眼下に見える側火山、高山植物などを興味深く観察/検証しました。
夜の振り返り学習では、「富士山は青いと思っていたけれど、実際近くで見ると、緑や赤など色とりどりでびっくりしました。」「富士山の名前の由来は?」「富士山五合目に動物が少ないのは?」などなど、つぎつぎに質問が飛び出し、各自の考察や観察記録を、まとめていくお手伝いもさせていただきました。
■2日目午前「樹海/三湖台ハイク」
昨日の天空からうって変わり、本日は地下の世界、鳴沢氷穴に入洞しました。「富士山五合目には水が無かったのに、こんなに水があるんだね、どうやって氷になったんだろう。天然の冷蔵庫だね。」など、体感したことから疑問や気づきが湧いてきます。
地上へ出た後、緑輝く樹海~紅葉台~三湖台へとハイキングしました。山道を登り振り向けば、昨日歩いた富士山がそびえ、足元を見れば、オトシブミの卵をまいた葉や、誰かが食べた葉っぱの跡、その他、様々な虫、キノコなどの生き物たちが発見でき楽しい時間を過ごしました。
■2日目午後「ネイチャーラリー」
原始時代にタイムスリップしたイメージで、自然の中で生きていくために必要なことを、ゲーム形式で体験していただきました。1チーム5.6人が力を合わせて各ポイントを巡りました。ヤリ投げ、竹ポックリ、人工物を探すカモフラージュ、ハンターパチンコ、重さ当て、などなど、頭と体をバランスよく使い、課題をクリアーしていきました。課題をクリアーするたびに、歓声上がり、チームメイトと喜び合っていました。一日ハードな活動が続きましたが、子供たちから「楽しかった~!」と嬉しい声が。サポートしたスタッフに笑顔がこぼれました。
■3日目「水生生物の観察」
天気に恵まれた最終日、「陣場の滝」で水生生物を観察しました。富士山の湧水や天子山塊からの地下水が交わる場所で水生生物を探します。カワゲラやカゲロウ、ヒゲナガカワトビケラといったきれいな水に棲む生物がいっぱい確認出来ました。
■最後に
3日間通して、富士山をフィールドに森や水にかかわる探求学習を行いましたが、さまざまな角度からそれぞれに気づきや発見があり、もっと調べたい、もっと知りたいと思う自然体験になったのではないかと思います。リアルに感じる、楽しい探求学習の時間、ありがとうございました。またお会いしましょう!
<リポート 藤園麻里>
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