toggle
Blog, イベント報告
2024-08-02

2024年6月11日 杉並区立天沼小学校5年生 山中湖移動教室「パノラマ台ハイク」

 6月11日(火)、杉並区立天沼小学校5年生86人が、「山中湖移動教室」で山中湖村にある「パノラマ台」ハイキングを楽しみました。

 標高982㍍、富士五湖では一番標高の高い山中湖畔がスタート地点。足元には小さな軽石がいっぱい。1707年、宝永の大噴火で降ってきた「スコリア」です。石を手にしながら、317年前の痕跡が目の前にあるのが不思議そうです。富士山の成り立ちや周辺の山々との違いなどを教わり、いざ出発です。

 しばらく歩き出して山道に入ると、突然風景が一変しました。天を覆う樹木の葉で薄暗い1本道。左右にある斜面の草地が踏み荒らされた場所が現れました。「けもの道」です。朝晩、シカやイノシシたちが、この道を行き来します。シカの大きな足跡もくっきりと残っていました。緩やか登りを進むと、大きな大木が現れました。白い樹肌のブナです。ここで一息入れながら、ブナの種を拾い集めました。三角すい型をした面白い形に「かわいい」の感想も聞こえます。

 ハルゼミの鳴き声を聞きながら、元気いっぱいに標高を上げていきます。毒のあるマムシ草を教わり、逆に爽やかな香りがするサンショウの葉の香りには目を丸くしていました。

 傾斜がややきつくなった細長い樹林帯を抜けた瞬間、目の前に広大な斜面が突然現れました。「ワー広~い!」の歓声と同時に「ヤッホー」と誰かが叫びました。それを聞いた仲間も連続しての叫び声があちこちから上がります。「ヤッホー」の大合唱です。

 場所は、今日のハイキングの終着点。見渡す限り緑一色のススキの若葉が目にまぶしく感じます。富士山は五合目から上だけが厚い雲に覆われているだけで、降り注ぐ太陽の光がまぶしいく、青空に白い雲が浮かぶ、まさに360度の大パノラマです。

 標高差はわずか110㍍ですが、眼下にはスタート地点の山中湖の全貌が見渡せます。回りにはハイカーの姿もなく、まさに「独り占め」の絶景ポイント。「あとどれくらい?」、「まだ登るんですか」、「疲れた~」のセリフは、一瞬にしてどこかに吹き飛んだように、たくさんの笑顔が並びました。

 帰路は同じ道を戻ります。足元が滑る斜面も楽しそうです。登りでは見つけられかったキノコやハルゼミの抜け殻にも遭遇しました。

登山開始から1時間半。山中湖畔まで戻りハイキングの終了です。

 疲れた表情の生徒さんは誰一人もいません。「また登りたい」の感想にガイドの我々にも満足の笑みがこぼれました。

皆さん「また一緒に登りましょう、ね」。

<文、写真  関口純>

関連記事