2024年7月30日 東星学園小学校4,5年生「お中道自然観察ツアー」
元気な、元気な東星学園小学校4,5年生が富士山スバルライン五合目にいらっしゃいました。昨年は「樹海ツアー」でしたが、今年は「お中道自然観察ツアー」となり、富士山の自然を学んで頂きました。
五合目から上は霧に覆われていて富士の眺望も叶いませんでしたが、天気予報は降雨なしとのことで、予定通り出発します。
グループ毎に担当のガイドから、出発前のレクチャーを受けて、いよいよ出発です。
お中道の入口では、今日のルートを確認し、自然観察が始まりました。すぐに表れたのが「サルオガセ」、木の枝から糸状に垂れているもの、落ちた小枝に付いているコケのようなもの、みんな同じ仲間です。「菌類と藻類(光合成)の共同体である地衣類」、「何と空気中の水分(霧など)から栄養をもらって生きている」という説明に“えー!”との声が。早速メモしている子供たち。
木の幹がグニャ、グニャ曲がっている「ダケカンバ」の前で「なぜ、こんなに曲がっているのかな?」 ヒントはね、「冬はここに雪が大量に積もっているよ。」
“分かった、分かった” の声が。
また、木の皮がボロボロになっている理由も聞いて、「ダケカンバ」がこの場所で生きていける理由が分かりました。
樹林帯を過ぎると、荒々しい富士山の全容が見えてきました。山道を埋め尽くす噴石やスコリアに目を奪われます。
早速観察会です。子供たちが次々に発見していきます。
・噴石やスコリアには小さな穴がいっぱいある。
・赤い色、黒い色、赤と黒が一緒になったものなど色々混じっている。
・軽そうに見えるが重い。
・表面がざらざらでとがっている。
そこで実験です。ガイドが噴石を取り上げて、そこに水を流してみました。
なんと、石の中を通って水が流れ落ちました。そうそう、この石には噴火の時に出来た細かな穴が開いていて、水も通ってしまうのです。
また、別の実験では、「磁石に噴石が付くかどうか」を確かめてみました。何と噴石が磁石にくっつきました。新富士の噴石は玄武岩質で憤石の中に「磁鉄鉱」が含まれているからです。
そして、辺りを見回すと、変な木の形に気付きました。「片側が、枝も葉っぱも伸びていない」「皆、同じ方向だ」これは、「旗形樹形と言って、西側からの風や、その風によってスコリアが飛ばされ、それが木に衝突して、枝が削られてしまった」との説明に、納得の様子でした。
眼下には、本栖湖、精進湖、河口湖が光っていました。また富士山にはたくさんの側火山があることも確認出来ました。
道々にはこんな動物の痕跡が。「うんこ」です。動物に興味がある子供たちから大歓声が上がりました。「うんこ」を観察すると、ここにどんな動物がいるか、分かります。
さあ、これはそれぞれ誰の「うんこ」かな?
ガイドの説明に「えー」の声。
また、色々な植物や、キノコも観察出来ました。
休憩ポイントからは、頂上に近いところまで富士山の山肌が観察出来ました。改めて普段見ている富士山の形と間近で見る富士山の形の違いに驚いていました。ここでもガイドからのレクチャーに耳を傾けます。
ツアーも終盤に近づきました。すると、急に小雨が降り出したのです。早速、雨具を取り出して雨対策、「山の天気は変わりやすい!」を実感しました。
そして、ゴールの奥庭駐車場を目指してゆっくり下っていきます。ここからは手袋を装着して雨で滑り易くなった登山道を慎重に慎重に歩を進めます。
五合目をスタートして2.5時間、全員無事に「奥庭駐車場」に到着しました。
東星学園小学校4,5年生の皆さん、富士山お中道の「自然観察ツアー」は如何でしたか。今回のツアーで色々な気づきや発見がありましたね。今年の4年生は、来年は5年生になって、今度は「樹海ツアー」になります。成長した皆さんに再会することを今から楽しみにしています。
<リポート 田中留雄>
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