2024年9月4,5日 武蔵野市立桜野小学校4年生 プレセカンドスクール「富士山探究学習」
毎年プレセカンドスクールで富士山を対象にした「探究学習」を実施している武蔵野市立桜野小学校、5月下旬に富士山ネイチャークラブのスタッフが学校に伺って事前学習「富士山の自然講話」を実施、9月に実施する現地での「答え探し(検証)」に向けて活動をスタートしました。
事前学習の内容から、一人一人が「疑問に思ったこと」や「知りたいこと」を書き出し、その中から「本当に知りたいことはこれだ!」の一つに絞り込み「探究テーマ」としました。その後「探求テーマ」の調査を重ね、「仮説」を考えながら本番の現地検証に備えました。
「富士山の赤色と黒色の石の違いは?」
「元気なのにボロボロな木ってどういうこと?」
「富士山が青く見えるのはなぜ?」
「富士山の鳥の鳴き声を知りたい」
などなど、今年もたくさんの「疑問」「知りたいこと」が寄せられました。
9月4日本番当日、先ずは富士山五合目の展望広場でお弁当。そこから山中湖を眺めることが出来ましたが、残念ながら富士山頂は雲に隠れたままでした。「お中道ツアー中に富士山が見えるといいね」と期待しながら出発しました。
「緑のカーテン!」「コケがいっぱい」「このキノコは食べられるの?」スタートしてすぐ、自然の中でいろいろなものを発見しました。5月の講話から自分が「もっと知りたい!」と思ったことを自ら本やタブレットで詳しく調べてきた子どもたち。ガイド顔負けの解説ができるほどでしたが、富士山の石を触ったり、コケに触れたりしながら実物を見て、ますますテンションが上がっていきました。自然の中にどんどん溶け込んでより理解が深まっていくようでした。
自分のテーマを検証する場所に着くと、一層ガイドの説明に集中します。そして目の前の対象をじっくり観察し、検証を進めます。スケッチも沢山記録しました。答えに近づくための真剣な眼差しがとても印象的でした。
途中、山頂の雲が通り過ぎ、富士山が目の前に現れたときは、全員「おお~」と歓声が上がり、「ヤッホー」の大合唱になりました。そして、ふだん東京から見える富士山は青いのに、黒と赤が混じった富士山がそこにありました。「遠くから山を見る時、間にある空気が青い光を反射して山も青く見えます。それはレイリー散乱っていう現象です」とひとりの子どもが解説してくれました。目の前でその光の不思議を体験することができました。
鳥の鳴き声にも耳を傾け、ほかにもシカやリス、ネズミなど富士山五合目に暮らす動物がいることも伝えるとさらにワクワク感が増したようでした。お中道を更に進んで行きます。
ゆっくり探究しながらの3時間。日本一高い富士山をさまざまな角度から観察し、自分のテーマの答え探し(検証)に取組むことができました。
宿に到着してからも探究学習が続きます。探究ノートに記録した観察内容やスケッチを振り返りながら現地探究の「まとめ」を行いました。ガイドも参加して子どもたちの質問に向き合いました。
翌日は、前日のまとめをもとに「発表資料」のまとめ作業に取りかかりました。この作業は学校に戻ってからも続きます。そして、活動の最後の舞台となる「発表会」は、保護者も参加して実施される予定になっています。
今回の「探究学習」はどうでしたか? の質問に子どもたちから「楽しかった!」の大きな歓声が上がりました。先生方は半年前から周到に準備され、子どもたち一人一人の意志を尊重し、一人一人の自主的な行動をリードされました。その中で子どもたちは躍動し「楽しかった」とともに多くの学びがありました。
<リポート 関口東子 田中留雄>