2024年10月31日 杉並区立高井戸東小学校 山中湖移動教室「明神山登山」
杉並区立小学校5年生、20校ほどの子どもたちが今年も6月~10月にかけて「山中湖移動教室」で山中湖村いらっしゃいました。今年最後の実施校となった「杉並区立高井戸東小学校」5年生が「明神山登山」に挑戦しました。
天候に恵まれ、朝から富士山がくっきり見えている中、83名の子どもたちが元気に宿の駐車場広場に集合してきました。始めの会ではガイド(富士山ネイチャークラブ)の紹介、登山中の注意事項などを共有しながら、ハチの防御姿勢も全員で予習しました。準備体操をしていよいよ出発です。
頂上に至る今日のコースは、第一区間:平坦な道、第二区間:緩やかな登り、第三区間:急な登り、第四区間:若干の登り降り で構成されています。このイメージを共有しながら一番厳しい第三区間の急な登りに備えます。
先ずは、右手に今日登る「明神山」、背後に「富士山」を眺めながら平坦な道を進みます。その途中、ゴマギの香りを体験したり、シカの足跡を確認しながら更に進んで行きます。
登り口に差し掛かったところで「大きなハチが飛んでいる!!」との声が、子どもたちは静かに「防御姿勢」をとりました。見たところ1匹の「オオスズメバチ」のようで、集団の周りを飛んだり止まったりしていましたが、やがて山の方に飛んでいきました。子どもたちは誰一人騒いだり、大声を出すこともなく、冷静かつ完璧な対応でした。
登り口の広場では、白骨化した「シカの骨」や空気の綺麗なところでしか生きられない「サルオガセ(地衣類)」を観察しました。そして鹿が角を研いだ跡も。とりわけ「鹿の骨」は印象に残ったとの声がありました。
ブナの葉も色つき始めていました。
猛毒ですが「トリカブト」「マムシグサ」も綺麗でしたね。猛毒と聞いて「触っても大丈夫?」と興味津々でした。
ゆるやかな登山道を上がって行くと「切通峠」に到着。ここは山梨県と神奈川県の県境になります。
ここから明神山の稜線を目指して高度を上げていきます。右手の木々の間から富士山が見えていました。
稜線に到着すると、いよいよこのコースの最大の登り坂に挑戦します。バテないようにゆっくり進んで行きます。途中で休憩を取って疲れを癒やし、また登って行きます。
この間、疲れて苦戦している仲間にクラスを超えた励ましや、助け合う姿がありました。また、元々足を痛めていた先生を気遣う子どもたちもいて、本当に心優しい子どもたちでした。
そして全員無事、第三区間の急な登りを突破することが出来ました。
この先は緩やかな登山道が続き、正面には富士山も見えています。周囲の自然を観察する余裕も出てきました。色々なキノコ、昆虫類、そしてイノシシの「ヌタ場」も観察しました。豊かな森の営みを実感することが出来ましたね。
歩き始めて2時間30分を過ぎた頃、全員が無事「明神山」に登頂出来ました。予定よりも早めの到着は、子どもたちの積極、果敢な行動の証しです。山頂からは雄大な富士の姿。眼下には山中湖の大パノラマが広がっていました。思わず「わー」「すごいー」と大きな歓声が上がりました。
思い思いの場所でお弁当を食べながら、友と語らい、ゆったりとした時間を楽しみました。
頂上の西側斜面からは、山中湖の全景(クジラの形)や、自分たちの宿舎の位置を確認することが出来ました。
いよいよ下山開始です。急な山道を慎重に下りていきます。周囲はススキの穂が大海原のように風になびいています。多くの子どもたちから「綺麗だなー」の声が。これを下り切るとゴールの三国峠です。
バスで宿に戻ると、駐車場広場で「終わりの会」がありました。代表の児童からサポートした4人のガイドに感謝の言葉がありましたが、自らの感想を織り交ぜて素晴らしい挨拶でした。また、多くの子どもたちからも率直な感想が寄せられました。
・景色の良い頂上で食べた「お弁当」がとても美味しかった。
・頂上から見た景色が最高だった。
・頑張って登ったが、頂上で見た富士山の方がぜんぜん大きくてビックリした。
・途中で色々な虫(昆虫など)に出会えて、とても楽しかった。
・色々な動物もいることが分かった。
・皆で励まし、助け合って登ったのがとても良かった。
・初めての山登りだったがとても楽しかった。
杉並区の「山中湖移動教室」、今年最後の実施校となった高井戸東小学校5年生の皆さん、明神山登山は本当に頑張りました。そして豊かな自然(森)の中に色々な発見や感動がありましたね。これからも色々な体験を重ね、大きく成長されていくことを祈っています。
<リポート 田中留雄>