2026年5月31日、6月1日 横浜市立藤の木中学校2年生「富士山自然体験学習」
横浜市立藤の木中学校2年生90人が自然体験学習で富士山にいらっしゃいました。天候に恵まれて1日目、「富士山お中道 自然探索ツアー」、2日目、「溶岩洞窟体験」を実施、自然の醍醐味を体験すると共に、自然の仕組みを学んで頂きました。2日間の活動の模様をご紹介いたします。
■1日目:「富士山お中道 自然探索ツアー」
生徒さん達を乗せた3台のバスが昼前に五合目に無事到着しました。バスから降りると展望広場に移動、富士を仰ぎ見ながら、「昼食」を食べ、合わせて「高度順化」も行いました。


昼食が終わると、広場で体制を整えガイドとご挨拶、いよいよグループごとに分かれて「お中道自然探索ツアー」に出発です。

五合目には、横浜では見ることが出来ない高山植物が姿を見せてくれます。最初に目に入ってきたのは蜘蛛の巣の様な植物「サルオガセ」、地衣類で光合成をしながら空気中(霧や雨)からミネラルを吸収し成長します。環境指標植物とも言われ、きれいな環境でないと生きられない植物です。「横浜で見られるようになるといいね」は、率直な感想でした。

グループごとにお中道を進んで行きます。


五合目の代表的な植物「ハクサンシャクナゲ」、今年の花芽、葉目が確認出来ました。なんとこの植物はー70℃でも生きることが出来ます。「なぜ、ー70℃でも生きられる?」その理由を聞いて、またびっくり。「植物の生命力はすごいね」の声が。

しばらく行くと、「ボロボロな皮」をまとった「ダケカンバ」の樹林帯が見えてきました。この木は毎年新しい皮を作ります。そして不要になった古い皮を剥がします。「なぜこんな活動をするの?」
その理由を聞いて、またびっくり。再び厳しい環境で生き抜く植物の生命力を感じることが出来ました。また、とても柔軟な幹が特徴で、雪の重荷に耐えて生き続けます。


きれいな昆虫も観察出来ました。ミヤマハンノキに住みつく「ミヤマヒラタハムシ」です。これから繁殖期に入っていきます。

樹林帯を抜けると、一気に視界が広がり、青空も開けてきました。迫力の富士の頂きが出現、歓声が上がりました。「普段イメージしている富士の形と全然違う!」「でもやっぱりきれい!」、この場に来て初めて体験できる景色でした。

開けた所では、下界の観察も。大パノラマが広がっています。

側火山が一定の幅に中に連なっています。「弱線帯」と言われ、ここに多くの側火山が集中しています。なぜこの帯上に集中しているのか? 「弱い地質の帯?」すぐさま正解が返ってきました。富士山を観察する視点がどんどん高まってきました。

お中道ツアーも後半に入りましたが、皆な元気に進んで行きます。素晴らしい景色が展開されていきます。

赤い色の溶岩、なぜ赤い? その理由も分かりましたね。

お中道では、野鳥のさえずりも楽しく聞くことが出来ました。「ヒガラ」と「ルリビタキ」のさえずりは完全にマスター出来ました。最後の下りに入る前、富士山をバックにクラス写真を撮影、思い出の1枚になりましたね。

下りは慎重に降りて行きます。その時の眺望もまた素晴らしかったです。

そして、全員無事にゴールの奥庭駐車場に到着、今回の「富士山お中道 自然探索ツアー」では各グループで生徒さんとガイドの会話が弾み、生徒間でも楽しい会話がありました。合唱するグループ、「ヤッホー」に挑戦するグループなどなど、自然探索ツアーを思いっきり楽しむ生徒達の姿が印象に残りました。「楽しく学ぶ!」自然体験学習のモデルと言える活動になりました。
■2日目:「溶岩洞窟体験」
2日目の午前中、青木ヶ原樹海(溶岩台地)の東端にある「鳴沢コウモリ穴溶岩洞窟」で入洞体験を実施しました。ここは青木ヶ原溶岩流が作り出した自然のままの「溶岩洞窟」で、突破するためには身のこなしやテクニックが求められます。
5つのグループに分かれ、5つのポイントを巡っていきます。
<ポイント1 洞窟>
ここは、今日入洞する洞窟の中で一大きく、立って歩けます。ひんやりとした洞窟の中で洞内の自然現象を観察しました。天井には多孔質の玄武岩から染み出てきた小さな水滴がダイヤモンドのように輝いています。



<ポイント2 溶岩流の解説>
ここでは、青木ヶ原溶岩流になぜこのような溶岩洞窟がたくさん出来たのかを解説しました。平安時代初期の864年(貞観6年)の貞観大噴火(じょうがんだいふんか)によって形成されたもので、玄武岩質の溶岩です。何と、月も同じ玄武岩で出来ていて、地球と月は親子の様な関係との説明に驚きの様子がありました。


<ポイント3 洞窟>
この洞窟は奥が深く、奥まで進むとまったく光がない世界になります。日常光がまったくない世界はほとんど経験することはありませんが、貴重な体験となりました。



<ポイント4 洞窟>
ここは、洞内が狭く、ほふく前進する所もあり、そして何と言っても出口の狭さが大きな課題となります。頭の向き、足の置き方、腕の使い方、それぞれがうまく調和したときに突破出来ます。参加者全員が見事に突破しました。



<ポイント5 洞窟>
ここは最も天井が低く、立って移動することは出来ません。膝パットを着けて四つん這いで進みます。


溶岩流が作り出した「溶岩洞窟」の体験はいかがでしたでしょうか。普段はなかなか体験できないことへの挑戦も体験活動の醍醐味ですね。生徒さんからは「想像を超えた体験になった」「本当に真剣になった」「疲れたけど、印象に残る体験だった」などなど、嬉しいコメントが多数ありました。
■最後に
横浜市立藤の木中学校2年生の「富士山自然体験学習」を2日間に渡ってサポートさせて頂きましたが、生徒さん達の活動に対する意識、意欲が高く、積極的な言動が展開されました。素晴らしかったです。そして想像していたことと現地で見たもの、体験できたものとのギャップを埋めること出来たのではないでしょうか。様々な自然の仕組みも理解頂けたと思います。また現地でしか体験できない「感動の場面」も多々あったと思います。その一つ一つを良き思い出として持ち帰って頂けたなら大変嬉しく思います。
<リポート 田中留雄>







