2007年 12 月 地球野外塾主催「山中湖耐寒キャンプ」


NPO法人 地球野外塾主催「山中湖耐寒キャンプ」

 

12月15日(土)・16日(日) in 山中湖

このイベントにNPO富士山ネイチャークラブと山中湖村観光課が協力いたしました。

 

イベントを企画・運営した「地球野外塾」は東京都内に本拠を置く、NPO法人で「人づくり、町づくり、環境づくり」を志向し、長い伝統の中で幅広い野外活動を行っています。

 

「耐寒キャンプ」は次の3点が活動の目的です。

1.日常の生活環境から離れ厳しい冬の寒さの体験から今の恵まれた「生活環境を再認識」すること。

2.ワカサギ釣りを通し自分で仕掛けを作り自分が釣ったものを自分が食べる最も原始的「捕食体験」をすること。

3.山中湖周辺の人たちと「積極的に交流」し生活の違いなどに気付き自分を見つめ直すこと。

今回の参加者は13名 東京から大阪の10代から70代の方々、スタッフは私を含め4名でした。

それではその活動を報告します。

◆1日目−晴天

11:00 電車、バスを乗り継いで全員山中湖に集結しました。釣り舟屋さんの「なぎさ」で地元の方の説明をうけ「しかけづくり」に挑戦。クモの糸のようなテグス20センチの先に5ミリほどの小さな針が付いているものが7本。これらを長さ56センチほどに11本つなぎ合わせてして「しかけ」をつくります。5〜6ミリの2重のループを作り、その中にさらにクモの糸テグスを通し結わえるという至難の技です。「よく見えない。いけねー、糸を間違えて切った!誰かの背中に針が付いているぞ。俺の針がない。ズボンのすその中がチクチクする!」初めは苦戦続きでしたが実に楽しく、コツをつかんだ後は皆早くなりました。オモリをつけて、50センチほどのサオ先に糸を結んで全員完成。

         

3:00 昼食後「なぎさ」から4km先の「みさきキャンプ場」へ徒歩で移動。冷たい風に吹かれながら車道と離れて湖岸を歩くことがこんなに心地よいとは驚きでした。先発サポート隊はテント設営場所を決め、火起こしの準備、ドラム缶風呂2個の設置などをしました。

1430 全員キャンプ場到着 岳君ご両親のお汁粉の差し入れがありみな感激。エネルギーをもらい薪割り、火起こし、ドラム缶の水入れなどに力が入ります。子供たちが先輩の指示を受けながらテキパキ仕事をこなしていきます。何回も参加している先輩達はさすがに慣れた判断と行動をしています。

1600 ドラム缶の150Lの水が徐々に温かくなっていきます。ドラム缶は山中湖の水辺に設置し、波の音を聞きながらの富士見風呂。山中湖畔で私はこの光景は見たことも聞いた事もありません。

         

       

17:00 テント設営 そして夕食準備。参加者のお母さんを中心に進みます。今日の料理はキムチチゲ。出来上がった夕食は高級レストランで食べるもの以上に美味しかったことは勿論でした。寒さが染みて来ました。アツアツのご飯が食べているうちにドンドン冷えて行くのです。今夜は良い耐寒キャンプ日和です。

       

20:00 ドラム缶風呂も湯気と煙でよく見えません。すでに子供たちは暗くなった富士山の稜線を見ながら風呂の中です。ワイワイ騒ぎながらとても楽しそう。外気と湯の温度差に見ている私はビックリでした。

        

夜中  テントのシェラフにもぐり込んだが寒さで眠られなかった子供が多かったようです。朝まで話し込んでいた子供もおりましたが、皆元気一杯。翌朝の気温はマイナス7度でした。目的のひとつが体感できました。

      

◆2日目−晴天

5:00 起床、朝食、テント撤収、片付け。日の出の紅富士が本当に美しかった。

    

     

8:00 キャンプ場発、「なぎさ」へ徒歩で移動 940着。「なぎさ」の女将さんから釣り方の説明と安全の注意を聞きます。「ボートではどんな事があっても立ち上がってはいけません。」

       

10:00 雨具の上にライフジャケットを着込み、ボートに2名ずつ乗り込みます。自作の仕掛けにアカムシの餌を針に付ける。釣り場のポイントを地球野外塾の海老沢さんが先導し、私たちの7艘のボートが沖合い100m付近に浮かびました。湖上のボートと陸からの双眼鏡での2重の安全管理をしました。少し波が高くとても寒く感じます。ワカサギは、時期、天候、時間で釣れ方もいろいろ変化が多いようです。今日ワカサギはどこかに出かけたようで私たちのボートにあまり近づきませんでした。

    

1230 釣りは終了。ボート着所前で昼食準備。釣ったワカサギと「なぎさ」から戴いたワカサギのから揚げ。その他バナナのてんぷら、バター付けジャガイモなど実においしい昼食でした。

1430 後かたづけと「振り返り会」の後、「なぎさ」の女将さんに挨拶。忘れ物がないよう自分の荷物を確認し車に詰め込みます。

1511 ここで別れる参加者3名と私以外の全員はJR御殿場行きのバスに乗り込み帰路に付きました。

 

■感想

「NPO法人地球野外塾」の企画に協力できたことはとても幸せな事でした。

1.大胆な企画故周到な準備を重ねること。

2.子供たちの自主性を尊重し理解するまでスタッフが工夫、我慢すること。

3.安全管理に手抜き無く万全を期すこと。

長期間数多くのかなり危険と思われる企画を大胆に実行するスタッフの勇気。そして継続して参加する子供達やご両親の存在。どうしたらこの様に上手に運営できているのでしょうか? 基本を忠実に重ねる事こそが、1度のトラブルも無く実行できている秘訣である、と同行させて頂いた中で実感しました。この2日間で子供達が最初に会ったときより大きく見えました。地球野外塾の海老沢さん、大林さんはじめスタッフの方の厚いご配慮に感謝しております。今回の体験から得られたものを、是非ネイチャークラブの活動に生かしていきます。

(NPO富士山ネイチャークラブ:おおくら)



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