2008年 4 月 皮むき間伐オープニングフェスタ


***皮むき間伐オープニングフェスタ***

 

2008年4月5、6日 富士宮にて

 

いま、日本中に、手入れができず下草の生えないスギ・ヒノキ人工林が広がっています。

この人工林が広葉樹の混じる多様性豊かな森へと蘇るためには、間伐によって程よく日光を入れることが必要です。「皮むき間伐」という手法を提唱する、森水人のネットワークさんとの出会いから、今回はじめての共催イベントを開催いたしました。

 

「皮むき間伐」は、

@     木の皮をむくことで、たったまま木を枯らしそのまま乾燥間伐材が出来上がります。

A     チェーンソーを使わず、鋸でできるため子どもも大人も比較的安全に間伐できます。

B     できる限り皮をむくので、枯れた木の乾燥も速く、材も軽くなるために人力での運搬も可能になります。

C     木のサイズを測定し、立ち木の密度管理を行った上で間伐するので、体力のある木を選んで残すことができます。

D     ゆっくりと自然の時間で葉を落とし森に日光を入れてくれます。何かと急ぐことに慣れてしまった現代人が自然の時間を見直す機会にもなります。

 

まずはじめに、「皮むき間伐」オープニングとして木への命を頂くことへの感謝の祈りをささげます。静かに包み込む音楽とゆったりした奉納舞は、自然の命を大切に想う気持ちを風に乗せて伝えてくれます。なんとも不思議な空気が森じゅうに満ち足ります。

「皮むき間伐」開始の一本に鋸をいれ、オープニングです。

 

 

 

次は密度管理のレクチャーです。癒しの時間からいきなり数学の時間へと変貌します。昔の数学の授業を思い出し、頭の軋んだ方もいたのではないでしょうか。これも間伐後に残される木がしっかりと太くなっていくための大切な準備作業です。

頭を使ったあとは、楽しいランチ。今日のお昼は、15種類以上の野生のキノコが入ったキノコ汁・カキドオシのゴマドレッシング・ツクシやフキノトウの天ぷらなどおにぎりのすすむ旬の味たちとデザート、野草シェフ手作り、ヨモギのシフォンケーキ・スミレのゼリーが並びました。

 

 

 

午後は実践編です。 5人でチームを組み、午前に学んだ密度管理を用いて、一定の面積での、木の太さを測定していきます。一本一本の記録を基に、何本間伐し、どの木を残すかチーム内で話し合います。決定し印をつけると皮むきを始めます。上手く上までむけるもの、途中でむけなくなってしまうもの。樹齢は全て同じなのに、状況はさまざまです。間伐作業を実際にしてみると、道沿いは太い木が多いことや、樹勢の弱弱しいものは皮がむけにくいことなど、森の状態が手や感覚を通してなまなましく伝わってきます。

 

 

  

 

私たちは、この“森を肌で実感すること”をこれからも大切な事業の一つとしていきたいと考えています。環境教育として小中学校に働きかけをしていこうと計画しています。

 

そして一日を締めくくる“焚き火ディナー交流会”です。火が焚かれると皆さんの身も心もまるようです。参加者の皆さん同士、積極的に交流して下さりとても打ち解けた雰囲気でした。

 

  

 

「皮むき間伐」はこれからがスタートです。日本の森の蘇りを目指して皆様の気持ちをつないでいけるよう、6月には「皮むき間伐つなぐフェスタ」を計画しております。

大阪・東京・名古屋など遠方よりのご参加、また地元富士・富士宮から集まって下さった皆様本当にありがとうございました。(45日分のレポート)

 

Saya



イベント報告

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