22014年 11月 石ころ勉強会 前編


  

20141129日(土)
奇石博物館副館長・学芸員の北垣俊明さんをお招きして「石ころ勉強会」を

開催いたしました。その模様を前編、後編に分けてご報告いたします。


北垣さんの熱いトークと、みなさんの質問がつづき
1つのポイントからなかなか離れられない、濃密な一日となりました。

雨天の野外でも使えるパネルをご用意くださって御坂山地の背景を

お話する北垣さんと、参加者のみなさん。
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御坂山地は、櫛形山につづいて、日本列島に衝突した、
はるか南の海からやってきた、海底火山でできた島の1つでした。

櫛形山が1200万年前、
御坂山地が900年前、
丹沢山地が500万年前
伊豆半島が60万年前ごろに
日本列島に、つぎつぎに衝突しました。

この衝突した山塊は、富士山や愛鷹山、箱根火山などの第四紀火山を含み、
南部フォッサマグナと呼ばれています。

フォッサマグナ地域は、糸魚川ー静岡構造線によって西側を区切られています。
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資料提供 by 北垣さん

*伊豆につきましては、
どの状態をもって衝突というか、ということで研究者の方によって諸説あり、

伊豆ジオパークでは100万年前ころに陸地とつながりはじめ、
60
万年前ごろに衝突したというお話になっています。
私的には、伊豆で広く採用されている、60万年前を採用させて頂きました。

この日は、西湖(水色)を取り囲むように@D5カ所を1日かけて観察しました。
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地図@
西湖いやしの里根場の駐車場位置口看板付近の露頭で

御坂山地が海底火山だった証拠をさっそく観察。
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北垣さんの傘の上部のコブたちが玄武岩の枕状溶岩(芦川累層/17001200万年前の噴出物) 
basalt , Pillow lava
この玄武岩は斑晶が見られないのが特徴だそうです。

枕状溶岩が次々と噴き出して、上に噴出したやわらかなものが下の溶岩のへこみを

埋めるようにして重なる
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上に重なった枕状溶岩がゆるいV時に形を沿わせておさまっています。


玄武岩は磁鉄鉱を含み磁石を近づけるとゆるやかに引きつけます
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第2ポイントは、地図A
御坂山地の雪頭ヶ岳登り口、の沢です。

ひん岩,石英安山岩質の貫入岩。
斑晶があって、緑地に赤っぽい水玉模様になってるのですが、
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porphyrite
玄武岩の岩体に、ムリムリ入り込んで来る時にガサガサと割れたかけらを取り込みながら
今、1つの石になっている。

私的には、白玉あんみつの、白玉部分が赤い水玉で汁に相当するのが、緑の部分、と解釈。
もとは、同じ岩でできているから、白玉も汁の部分も、岩としての組成は同じなのだそうです。


ひん岩の塊に、黄土色の線が。
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熱水がとおった痕。

変質してボロボロ。ここだけ風化しやすいので凹んでいます。
しかも土壌化しやすいようで、

岩の弱点を木は見逃さない!
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ひん岩の熱水がとおった痕を選んで根を張る樹木。


東入沢のミントチョコ色の石
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デイサイト質の火山礫凝灰岩
dacite


デイサイトは陸上で噴火すると白っぽい石なのですが、長年、海底で耐え忍んでいるうちに 
ミントチョコ色に変身するのですね。
同じ岩が、鬼ヶ岳の山頂で見られ、十二ヶ岳火山礫凝灰岩、と呼ばれているそうです。

雨をよけて、西湖コウモリ穴の食堂で昼食。ランチの時間も、質問が途切れず。。
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昼食後、30分程食堂をお借りして、レクチャータイム。
いつも優しい、コウモリ穴さんありがとうございました。

・・・前編終了・・・

<なんば>