22014年 11月 石ころ勉強会 後編
2014年11月29日(土)
奇石博物館副館長」、学芸員の北垣さんを講師にお招きしての
「石ころ勉強会」(御坂山地) 後編の模様をご報告いたします。
後半の、観察ポイントは、
Bの、西湖の南湖畔からスタートです。
東西に延びる丘陵地、紅葉台の北斜面にあたります。
Bからは、C→Dへと、紅葉台の北斜面から、南斜面へと場所をかえて観察です。
礫岩の成り立ちから大地のリサイクルへと壮大なお話、
野外ならではの、ソールマークの実物などを
学びました。
Bの北斜面は、御坂山地の火山砕屑岩
南斜面は、C礫岩と、D砂岩泥岩の堆積岩に変わります。
B西湖 南岸、 紅葉台北斜面の火山砕屑岩
斑晶が大きくめだちます。
斑晶が発達しているところは、
A地点の東入沢付近の、ひん岩と同じようです。
火山砕屑岩
岩が砕けながら、固まった。
地の白っぽいところも、砕けた黒い岩も原料は同じ。
しかも、上の写真の、斑晶が発達した火山岩と同じ原料。
さがすと、黒い岩屑のなかに、白っぽい斑晶の粒がみつかります。
Cは、西湖民宿村サッカー場の上、紅葉台登り口です。
礫岩の入った地層のある景色
尾根の先端部。
地衣類におおわれた、礫岩部分
よく通る場所ですが、
礫岩が露出しているとは気がついておらず。
見る目の違う人との観察は
灯台下暗しの発見が
ホントうれしいです。
垂直にちかい地層
写真向かって右が地層の下側。
御坂山地が600q南南東から
ここまでやってきて、本州に押しつけられて
傾いてしまった。
中央の黒っぽい縦縞部分が砂岩、
右側の縦縞のない部分が礫岩
左側の奥まっている部分が泥岩
泥岩は侵食されやすいため
ぼろぼろで下に土壌がたまっている。
その礫岩
礫岩のレキが丸いのは
川を転がってきたから。
1200万〜900万年前、御坂山地がこれから本州に衝突するぞ〜
という時に
関東山地から流れてきて、河口の三角州扇状地
fan delta
にたまっていたレキ達が固められて岩になったもの
御坂山地と本州の間にたまってできた岩。
だから、レキは関東山地の石が入っている。
砂岩、チャートなど。
そして、そのレキがどんな時間をすごしたか、というとね。。。
礫岩で、
火山の噴火から始まる、石の輪廻のお話する、北垣さん。
火山のマグマは固まって石となり、ころがって海で堆積する。
火成岩・堆積岩、そして、熱や圧力で変化する変成岩
3つの岩に分けて考えると分かりやすい。
地球は、壮大な石のリサイクル工場。
で、これは堆積岩
砂岩泥岩互層
白っぽいほうが砂岩、黒っぽい方が泥岩
泥岩の方が細かく割れていて、侵食がはげしいのは泥岩のほう。
だから、地形でも鞍部や谷、凹みになりやすい。
泥岩
細かくわれる、砂岩砂岩の底にでっぱている、
ソールマークを教えてもらう。
写真の左下から右中央にかけて、斜にのびる帯状のふくらみ
石が水底を転がってへこみを作り、
その凹みにも、砂がたまってやがて砂岩になる。
凹みの鋳型がソールマークsole mark
ソールマークがあるのが砂岩の底の印。
垂直に立ち上がって、地層の底をみせている。
はるか昔
900万年以上むかしの物語が目の前にある。
大地のいとなみは何度きいても
気がとおくなるところが、とてもステキだ。
★講師でお招きした 奇石博物館副館長 北垣さんには楽しく、大変分かりやすく
深いお話をして頂き、深く感謝申し上げます。これでますます地質地形から景色を
見てしまう、自然ファンが増えたことと確信しております。ありがとうございました。
また、観察ポイントを変えて続編を企画いたします。
☆主催:NPO法人富士山ネイチャークラブでお届けいたしました☆
<なんば>