青稜中学・高等学校「自然セミナー」 2018.8.16-18
2018年8月16日-18日 青稜中学・高等学校の夏休み「自然セミナー」が行われました。昨年に引き続き、富士山ネイチャークラブがサポートいたしました。
この「自然セミナー」は中学~高校生の希望者を対象に行われるもので、今年は26名の精鋭なる生徒さんが参加されました。「富士山の豊かな恵みについて、自ら考え、自ら学ぶ “湧水・樹木”」をテーマに、富士山や忍野湧水・桂川の自然観察(現地踏査)を行い、ワークショップでは「山中湖―桂川(忍野湧水)―相模川の流域(上流~下流)を対象にした川の水質調査」を行いました。
「川の水質調査(実験)」は昨年に引き続いて同じポイントを対象に行われましたが、5項目に渡る調査結果には想定外のデータが随所に出現。たとえば「川の水は上流ほど綺麗で下流に行くほど汚れが増す」と考えていたが測定項目によってはそのようなデータにならなかった。そこには何か理由がある。生徒さん達がグループに分かれて実験データの分析を行いましたが、現地踏査を含め、「周辺の自然環境・地質」、「地下水や川の構成・構造」「生活環境や周辺の農業・産業」、「インフラ整備状況」等から考察を重ねていくと、その原因と思われる多くの要素が浮かび上がってきました。「川の水の汚れ」は周辺の環境を映し出していることが十分に想定できました。また、自然がもたらす要因よりも人為的な要素が圧倒的に多いことに気づくことが出来ました。今回は原因を特定することが目的ではなく、現地踏査を含めた状況確認や客観的な事実(実験データ等)から問題を顕在化させて行く活動(プロセス)に重きを置いた体験学習でしたが、生徒さん達にとって有意義な体験となったなら幸いです。
最後に引率された先生から「綺麗な川の水ばかりに注目せず、汚れた川の水を含めてそれぞれに生態系があることに目を向けて欲しい。水と生態系の関係全体を見据えることが重要です」とのコメントがありました。自然体験学習の重要な視点をご教示頂きました。
参加された精鋭26名の生徒様の将来に期待を抱きながら3日間に渡る「自然セミナー」を終了いたしました。
<写真は活動の模様です。>
<リポート:田中>