2026-05-15 |
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イベント報告
入学して間もない4月20日、大妻多摩中学校1年生が恒例となっている「オリエンテーション旅行」で富士山麓にいらっしゃいました。大妻多摩での中学校生活に向けた基盤作りと、多くの仲間との親交、連帯を一気に深める活動に取組みました。
■1日目
初日は、富士山が眺望できる広々とした鳴沢活き活き広場で「チームビルディング」を実施しました。満開の桜が新入生をお迎えしました。
第一部「フレンドシップゲーム」
ゲームを楽しみながら、心身を解放し、多くの仲間との出会いと親交を深めます。
◇挨拶ゲーム: “はじめまして!” と声を掛け合い、各誕生月の人を探してご挨拶します。
◇タイムセンスゲーム: クラスが一体となって指定の時間を体内時計で競います。
◇富士山クイズ YES/NO:富士山クイズで富士山を多角的に学びます。
第二部「ネイチャーラリー」
原始時代の営みをゲーム形式で体験し、厳しい環境でも生き抜いてきた先人達の知恵を体験しました。
ヤリ投げ:より遠くに投げて獲物を捕らえます
食べられる植物を探し:毒の植物に注意!
ハンター:パチンコで獲物を捕らえます
動物の足跡探し:ハンターの能力を試します
重さ当て:1回で当てられるかな?
カモフラージュ:自然界にないものを探します
丸太切り:精度良く切ります
サイレントウォーク:静かに獲物に近づきます
「ネイチャーラリー」は、一見簡単そうに見えても実際に挑戦してみると、思うように得点が得られないとの感想が多くありました。それぞれのポイントでは「体の使い方」「感性」「知識や論理性」などの能力が求められます。これは、人が生きていくために必要な基本的な要素で、原始時代も現在も同じと言うことが出来るでしょう。
第一部と第二部の得点を総合して、3組が見事優勝となりました。3組の皆様おめでとございました。
<リポート 田中留雄>
■2日目 午前 「富士山講話」
名峰富士の成り立ちや豊かな自然を紹介しながら、一方で噴火のリスクや環境問題が顕在化していることも学んで頂きました。講話の後半は、午後に現地に行って自然探究する「青木ヶ原樹海」の特徴についてご紹介しました。
<リポート 田中留雄>
■2日目 午後 『青木ヶ原樹海自然探究』
午前中の「富士山講話」の後半で「青木ヶ原樹海の自然」を事前学習して頂きましたが、いよいよ、ホンモノの青木ヶ原樹海を体験します。
西暦864年、今から千年以上も前に富士山が大噴火を起こして、北西斜面のあらゆる自然を飲み込んだ、その溶岩流の上に形成された広大な原生林。
『富嶽風穴』の駐車場よりスタート致します。剥き出しの木の根っこ、苔むす溶岩台地、起伏していたり、陥没していたり。『東海自然歩道』という遊歩道に入ります。
苔の上に舞い散る花びら。
何の花かな? 『桜みたい』 そうなんです。『桜の木なんて樹海にあるの?』見上げてみると見つけた! 深い緑のその中に。花も終わりかけの桜の木。誰がここに種を蒔いたの?
木の種は、風が運んだり、鳥が実を食べてその種を運んだり、時にはクマがサクランボを食べてその種を運ぶ。自然って、スゴイなあ。
野鳥たちのおしゃべり声。あれは『さえずり』と言って、オスがメスに求愛しているらしい。
足元は溶岩がゴロゴロしていて『玄武岩というんだよ。富士山の溶岩は玄武岩!』ひとつづつ、手にとって頂きます。小さな穴がたくさん開いてるね。黒っぽい溶岩。ゲンブガン、ゲンブガンと呟きながら歩いて行く。
緑なす樹海の中に、ミツバツツジの鮮やかなマゼンダ色の花。
倒木の上の苔を触ってみて、そっとね。ホントだ! しっとりしてる。水を含んでいるんだね。スポンジみたい。
リスが松ぼっくりを食べた痕。ここの切り株の上で食事した、リスのテーブルだね。シカやらクマやらの森の動物たちの話を聞きながら、さらに奥へ奥へと足を進めます。
ゴールは富士山が作った溶岩洞穴『鳴沢氷穴』へ
寒い!暗い!低い! 頭をぶつけないようにね。 きゃあきゃあ言いながら、それでも火山としての富士山の神秘とダイナミズムを体感します。
春まだ浅い標高千メートルの富士山麓で、生き生きとした樹海の森を五感で感じて、皆で学んだ時間はいつまでも心に残るに違いありません。季節を変えて、またいつでも富士山の懐に来てくださいね!
<リポート 舟津川由利>
■最後に
大妻多摩中学校1年生の皆様、富士山麓でのオリエンテーション旅行はいかがでしたか。これから始まる中学校生活に向けて、日本一の富士山を仰ぎ見ながら学び、体験したことはとても有意義なものになったと思います。一人一人が大妻多摩の学びの精神「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」を培い、世界で輝く人に成長されることを願っています。
大妻多摩中学高等学校 サイト情報
大妻多摩中学高等学校
NPO法人富士山ネイチャークラブ、前回のスタッフ研修会は「伊豆ジオ研修」でしたが、今回は公益財団法人キープ協会 環境教育事業部部長 関根健吾様をお招きして、子どもたちの環境教育の視点から「インタープリテーション」についてご講演頂きました。ガイド(インタープリター)のあるべき姿、気を付けなければいけないこと、などについて事例を示しながらお話し頂き、とても分かりやすく、楽しく学ぶことが出来ました。
関根様の講演は、まさに「インタープリテーション」を体現している内容で、聴講するスタッフにスイッチが入り、どんどん引き込まれていく様子がありました。日頃、活動している中で共感する場面が随所にあり、自分ごととして受け止めることが出来たと思います。スタッフからは “ガイドとして生まれ変わらなければ・・・” のコメントもありましたが、本音のコメントだったと思います。
自然体験学習に対する学校様のニーズが変化しており、より子どもたちの成長の機会となることが期待されています。それは参加者一人一人の「気づき」から始まるでしょう。言い換えれば「気づき」がなければ何も始まらない。
今回の講演で環境教育の重要な要素として「身体性・五感」「主体性」「対話」があり、指導者にはこれを促す役割が求められていることを学びました。この役割を果たせるようスタッフ間でコミュニケーションを取りながら、子どもたちにとって楽しく有意義な活動となるようサポートして行きたいと思います。
講演会の様子を写真でご紹介します。
最後に、清里から遠路、河口湖まで来て頂き、貴重な講演をしていただいたキープ協会の関根様に心から感謝を申し上げます。
<リポート 田中留雄>
2026-03-05 |
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富士山自然便り
久しぶりに山中湖で水鳥観察。写真をご覧下さい。手前から「オオバン」「ヒドリガモ」「マガモ」です。
ところが種類が少ないことにびっくり! 以前は「ヨシガモ」「コガモ」「オナガガモ」「コガモ」「ハシヒロガモ」「キンクロハジロ」「スズガモ」「ホシハジロ」「カワアイサ」「ミコアイサ」などなど沢山の水鳥が観察できたのに・・・・。
また、戻って来て下さい。
2026年明けましておめでとうございます。本年度もよろしくお願い致します。
元旦の富士山の写真をお楽しみください。小山町「誓いの丘」からの眺望です。
<リポート 田中留雄>
2025-12-11 |
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イベント報告
秋深まる11月の富士山麓に、森村学園中等部1年生200人が「研修旅行」でいらっしゃいました。この活動に向けて、生徒で構成された「運営委員会」が準備を進めてきました。今年の活動目標は「学年を知ろう:目指せ仲いいみんな113期」 です。
富士山ネイチャークラブがサポートさせて頂いた活動の模様をご紹介致します。
①「事前学習講座」 (10月17日)
②「チームビルディング」 (11月18日)
③コース別「探究研修」 (11月19日)
・青木ヶ原樹海ツアー
・鳴沢溶岩洞窟探検
■10月17日「事前学習講座」
研修旅行1ヶ月前の10月18日、富士山ネイチャークラブのスタッフが学園にお伺いして「事前学習講座」を開催しました。多くのスライドで「富士山の自然」をご紹介しながら、時々クイズも織り混ぜて、どんな体験、どんな学びできるかについてイメージを高めて頂きました。
生徒さん達の目線が活き活きとしていて、今回の活動に向けた強い意欲、積極的な姿勢が伝わってきました。「事前学習」の段階から、これだけの熱量、盛り上がりは、驚きと共に本番に向けて我々スタッフの大きな励みになりました。
■11月18日 「チームビルディング」
今回の研修目標「学年を知ろう:目指せ仲いいみんな113期」の実現に向けた最初のプログラムとして「チームビルディイグ」を実施しました。学校様の企画と富士山ネイチャークラブの企画を合体させた、新たな取り組みとなりました。
・第一部:「フレンドシップゲーム」
全部で5つのゲームを実施(学校様企画2ゲーム、富士山ネイチャークラブ企画3ゲーム)
・第二部:「ネイチャーラリー」
自然の中で生きていくための8つの課題に挑戦
第一部、第二部を通してチーム対抗戦としましたが、なんとそのチーム構成は、学年全体をシャッフルして、以下の5チームに編成されました。
・本栖湖チーム ・精進湖チーム ・山中湖チーム ・河口湖チーム ・西湖チーム
この段階で、学年全体の交流が一気に進みました。
◇開会式
◇第一部:「フレンドシップゲーム 」
学年全体の親交、連帯を育みました。
<挨拶ゲーム:制限時間の中でより多くの人と挨拶します。>
<挨拶ゲーム:誕生月の異なる12人を探して挨拶します>
<ランキングゲーム:無言で命題に従って整列するタイムレース>
<富士山クイズ YES/NO: 何人が最後まで残れるか>
<大縄跳び:仲間の名前を呼びながら飛べた人数を競います>
最後は「ドロケイ」を実施、フィールドいっぱいに駆け回りました。
◇第二部:「ネイチャーラリー」
1グループ8人構成、全25チームが8つの課題に挑戦しました。
<ヤリ投げ:どこまで遠くに飛ばせるかな>
<ヤリ投げ:富士山に向けて投げる!投げる!>
<丸太切り:精度良く切断します>
<食べられる植物探し: 猛毒の植物に注意です>
<カモフラージュ: 見つかりましたか>
<ハンター: 獲物をゲットします>
<動物の足跡: ハンターには必須の知識です>
その他、「サイレントウォーク」「重さ当て」にも挑戦しました。意外と簡単そうに見えてもなかなか点数が獲得できず苦戦しているグループもありましたが、「全ポイント満点取ります」、「現在0点のポイントは何としても点数を獲得したい」、「このチームのメンバーは最高です」 などなど積極、果敢に取り組むチームの姿がありました。躍動する生徒達、笑顔で見守る先生方、サポートするスタッフを含め、会場全体が一体感に包まれました。
第一部、第二部の総合得点で最高点を獲得した「西湖チーム」が見事優勝となりました。「西湖チーム」の皆様、おめでとうございました。
<リポート 田中留雄>
■11月19日 コース別探究研修 「青木ヶ原樹海ツアー」
3つの選択コースから、「青木ヶ原樹海ツアー(コウモリ穴~野鳥の森公園)」を選択した生徒さんは88人、ついこの間まで暑い日が続いていましたが、この日はとても冷え込んだ朝でした。肌にあたる空気はひんやりとしていて、バスから降りた生徒さんたちもつい足踏みしながら身体を温めていました。しっかりストレッチして、森歩きのために準備体操から始めました。
しっかり身体をほぐしてからクラス単位のグループで樹海ツアーへ! さまざまな木々が赤や黄色に染まり、役目を終えた葉っぱがハラハラと地面に落ちていました。ツアーは、まずは、地面に落ちている葉っぱや種の観察から。この時季ならではの、アカマツやイロハモミジの種がたくさん落ちていました。アカマツの種は松ぼっくりから落ちてきたもの。小さいけれど風に乗って飛んでいくプロペラがついていました。イロハモミジの種もプロペラ付き。上に投げるとクルクル回りながら落ちていく様子を見守りました。
「アカマツの松ボックリが好物の動物は?」と尋ねると、前日のアクティビティで行った「動物の足跡」を思い出し、ピンときた生徒さんもいました。答えはリス。手を使って食べる動物です。
森に入って、目についたのはぐるりと幹が一回転しながら曲がっている木。「これは何だ?」とみな驚いていました。
でもよくみると、樹海の中の木々にはさまざまな形があることに気づきました。倒れそうな木、寄り添い合うように立っている数本の木、斜めに向かっていく木もあり、すべてがまっすぐ空に向かってのびる林の風景とはまるで違います。そして、溶岩台地のでこぼこした地面、大きな陥没や割れ目もあちこちにあり、ダイナミックな自然の姿も体感できました。ホオノキの大きな葉っぱ、コシアブラやタカノツメなどの特徴のある葉っぱもたくさん落ちていました。エンジェルヘアーと言われるゴヨウマツの葉も黄色く色づき道に敷き詰められ黄金色に輝く絨毯のようでした。
森を歩くこと2時間半。最後に感想を寄せてもらいました。いくつかご紹介します。
「(松ぼっくりでできた)エビフライを見つけられて嬉しかった」
「黒いホコリタケを見つけたが、袋から煙のような胞子がでました」
「キノコにも派手な色があることを知ることができました」
「玄武岩には鉄分が含まれているのが分かって面白かったです」
「面白い形の木がたくさんあって驚きました」
「アカマツとゴヨウマツの松ボックリや葉の違いを知ることができました」
「溶岩は触るとチクチクして、ガラス成分があることが分かりました」
たくさんの発見をしてくれた森村学園の生徒さんたち。
赤く色づく落ち葉がとてもきれいと髪飾りにしていた生徒さんも。とっても素敵なアイデアに私たちも脱帽です。
秋色の樹海で澄んだ空気も気持ちよいツアーとなりました。また違う季節に違う色の樹海探索に来てくださいね。
<リポート 関口東子>
■11月19日 コース別探究研修 「鳴沢溶岩洞窟探検」
3つの選択コースから、「鳴沢溶岩洞窟探検」を選択した生徒さんは72人、溶岩流が作り出した地下洞窟を探検しました。探検するポイントは全部で6カ所、6グループ構成で、ローテーションして体験しました。全く人の手が入っていない自然の洞窟は、それぞれに異なる様相でアドベンチャー気分を高めてくれました。
◇ポイント1:一番大きな洞窟、ここは唯一立って歩けます。「キクガシラコウモリ」も発見しました。
◇ポイント2:「溶岩流の自然解説」・・・青木ヶ原溶岩流の成立ちや特徴を学びました。
◇ポイント3: ライトを消して全く光がない世界を体験しました。
◇ポイント4:最難関のコース、出口が狭い!
◇ポイント5:「富士山麓の動物解説」・・・本物の骨格、角、毛皮等を観察し、富士山麓に生息する動物を学びました。
◇ポイント6:天井が低く、膝パットを着けて入ります。
全6ポイントを3時間かけて制覇した生徒さん達から沢山の感想が寄せられました。
「自分には無理かなと思ったポイントもあったがすべて突破できた。自信がついた」
「こんな体験はなかなかできない」
「どの洞窟も大変だったが、とても楽しかった」
「洞窟の天井にぶら下がっているコウモリを初めて見ました! 可愛かった 」
「全身を使ったので、あちこち痛い」
「また、来たい!」
また、サポートしたスタッフからは
「みんな積極的に挑戦した。気合いが入っていた」
「身のこなしが柔らかく、難しいポイントもスルスル突破できた。珍しい」
「ポイント、ポイントで挨拶があり、とても清々しかった」
「一人一人が自立している。」
「生徒達は本気で楽しんでいた。サポートした我々もやりがいのある一日になった」
■最後に
2025年11月18日、19日、2日間に渡って森村学園中等部1年生「富士山研修旅行」をサポートさせて頂きましたが、常に仲間と共に積極的に行動する生徒さんたちの姿がとても印象に残りました。今回の目標「学年を知ろう:目指せ仲いいみんな113期」は、十分に達成されたと確信しました。
これからも、多くの仲間達と「色々な体験」を積み重ね、豊かな感性と多様な価値観を育み、将来、社会の難題に果敢に挑戦していく君たちに、心からエールを贈ります。
<リポート 田中留雄>
森村学園中等部・高等部 サイト情報
森村学園 中等部・高等部
2025-11-14 |
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イベント報告
猛暑が続く東京から今年も武蔵野市立桜野小学校4年生たちが富士山にやってきました。桜野小学校は毎年プレセカンドスクールで富士山を対象にした「探究学習」を行っています。宿泊行事を体験で終わらせない、さらに調べ学習にとどまらない、より自主性な活動で「疑問の解明」に迫る探究学習。今年も子どもたちはさまざまな角度から富士山の「疑問」と「魅力」に迫りました。
探究学習の第一歩は5月17日、当法人の田中が学校を訪ねて行った「富士山の自然講話」です。当日は学校開放日で保護者の皆様も多数参加され、子どもたちと一緒に聴いて頂きました。探究場所である「富士山お中道」の様子を45枚ほどのスライドで紹介しました。富士山に暮らす生き物を紹介すると「見たい!」、噴火の歴史を聞いて「また噴火するの?」と子どもたちの反応はすばらしく、講話を聞きながら「知りたいこと、疑問に思ったこと」を次々に書き出して行きました。1ページに書ききれない子どももいて、探究学習に向けた積極的な姿勢が印象的でした。その後、学内で更に検討を進め、「最も疑問に思ったこと」を一つ選んで、自分の探究テーマとしました。
今年、子どもたちが掲げた「テーマ(知りたいこと)」の一部をご紹介致します。
「富士山のキノコはどんな形や色なのか」
「溶岩の色や形はなぜ違うのか」
「火山灰の質感を体感したい」
「富士山はなぜ高いのか」
「富士山の動物の住みかはどこなのか」
「富士山の動物のウンコは見てわかるのか」
「富士山の標高によって暮らす鳥は違うのか」
「富士山の木はどうして寒さに耐えられるのか」
「木が割れている原因の凍裂って本当なのか?」
「標高によって花の色は変わるのか」
子どもたち一人一人の「テーマ(知りたいこと)」は案内役のガイドスタッフにも事前に伝えられました。ガイドは担当のグループ全員のテーマに対して、あらかじめどのような手順で答え探しをリードできるか、またその検証の場所はどこがふさわしいかなどをイメージしながら準備を整えました。
9月3日、いよいよ富士山五合目のお中道にて探究活動が行われました。富士山五合目は標高2350メートル、残暑厳しい東京から来た子どもたちは「ああ涼しい!!」と、まずはさわやかな気候に身をゆだねました。連日35度に迫る夏日の東京に比べたらずっと涼しく感じたことでしょう。
まずは、五合目の「展望広場」で昼食を食べました。昼食を取りながら「高度順化」も行って出発の準備を整えます。
お弁当を食べ終えたら、いよいよお中道探究に出発です。お中道はもともと富士山の修験道の道で中腹を一周するための道でしたが、遊歩道として整備された自然豊かなコースです。目の前に大きくそびえる富士山の頂、眼下には河口湖、本栖湖も見えました。富士山の噴火で降り注いだ黒色や赤色のスコリアが足元にあります。風に吹き飛ばされそうな樹木もありました。「ドラ焼きの皮みたいなキノコ」、「跳び箱みたいな土砂をせき止めるための導流堤」「凍裂でできた木の裂け目」「色づき始めたコケモモの実」などなど、初めて見る富士山五合目の自然に心が弾みます。
お中道の豊かな自然を楽しみながら、一人一人が自分の「テーマ」」の検証を進めていきます。場所、場所で子どもたちから沢山の質問が飛び交いました。実際に触れることができた自然の営みに驚き、その素直な観察力には毎回脱帽します。スケッチやメモも取りながらお中道を進みます。
「疲れた~」とは言いながら、下山の足取りは軽く、まだまだ元気な子どもたちでした。そして、ゴールの「奥庭駐車場」に全員、無事到着です。お疲れ様でした。
五合目から宿に到着してまもなく「まとめ学習」が実施されました。今日現地で検証できたことを整理してまとめる作業です。ガイドスタッフも参加して子どもたちの活動をサポートしました。疲れていながらも、積極的に取り組む子どもたちの姿は本当にたくましかったです。
探究学習は学校に戻ってからも続きます。来年プレセカンドスクールで富士山にやってくる3年生を対象に発表会が行われ、次の学年に受け継がれて行きます。桜野小4年生の子どもたちは、もう立派な富士山博士です。これからもいろいろな人に富士山の魅力を広めて下さいね!
<リポート 関口東子>
2025-11-14 |
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イベント報告
杉並区立小学校の「山中湖移動教室」、今年最後の実施校となった和田小学校が一気に秋めいてきた山中湖村の「パノラマ台」登山を楽しみました。晴天に恵まれ冠雪した富士もはっきり見えました。子どもたちからは “わー、きれい、きれい” の歓声が上がりました。
スタート地点の「きらら」で、元気な子どもたちとガイドがお互いに「よろしくお願いします!」と挨拶していよいよ出発です。
先ずは、「きらら」の広場で富士山と山中湖をバックに学年全体で写真撮影、思い出に残る1枚になましたね。
写真撮影が終わると、クラスごとに分かれてレクチャー開始です。富士山の成り立ちや自然の特徴について説明を始めると、「それ知っています」「富士山は4階建てです」「今の富士山(新富士)ができたのは1万年前です」などなど、次々に富士山に関する知識が飛び交いました。
“なんでそんなに富士山に詳しいの?”と訪ねると。一斉に“学校で勉強してきました!”との回答に、“それはすごいね”と会話が弾み、スタートから一気に盛り上がりました。富士山や山中湖を目の前にして「なんでこんな美しい形になったのか?」 「富士五湖がどのようにできたのか?」 についてもその理由を考え、確認しました。
広葉が始まった自然林の登山道を登っていくと、登山道の脇には色々な「キノコ」が出現。そのたびに“このキノコの名前は?”“食べられますか?”と興味津々。秋の恵みですが、もっと注目すべきはキノコが森の中で重要な役割を果たしていることです。
マスタケ(美味しい)
ハナイグチ(美味しい)
ベニタケ(不食)
モリノカレハタケの仲間(不食)
スジウチワタケ(不食)
写真にありませんが、とても美味しい「ナラタケ」も発見しました。“このキノコ食べてみたい!”は、もっともな感想でした。
「ブナの大木」の周りでは、休憩を取りながら皆で「ブナの実」を拾いました。そして、ブナの実はクマの大好物であることも学びました。また、近くには「シカ」の足跡が多数あり、遭遇する期待もありましたが、残念ながら今回は「シカ」に出会うことは叶いませんでした。
「きらら」を出発して1時間を過ぎた頃、今日の目的地である「パノラマ台」に到着、早速展望台から山中湖と富士山の大パノラマを楽しみました。雲の合間に富士の山頂が見えましたね。
パノラマ台で楽しんだ後は、もう一段高いところまで登って、銀色に染まるススキの海原と山中湖全体を眺望、 “山中湖は何の形に見えますか?” いくつかの回答の中に“クジラ!” との声が、そして“あそこが頭で、こちらが尻尾です“と説明してくれました。
しばらく眺望を楽しんだあと下山開始、登って来た道を下って行きます。「ミズナラ」の大木が枯れている現場でその原因を考えました。「暑かったから」「地面の水分がなくなったから」・・・・そして「虫が入ったから」の正解が出ました。「カシノナガキクイムシ」が木の幹に入り込んで卵を産みますが、その際にムシに付いている「菌」が木を枯らしてしまいます。“かわいそう”との声もありましたが、これも自然の営みですね。
下りはテンポ良く歩いて行きます。
そして、全員無事にスタート地点の「きらら」に戻ってきました。
「ありがとうございました」と挨拶の後、待ちに待った「お弁当」タイム。パノラマ台ハイクの疲れも吹き飛んで笑顔がこぼれます。和田小学校5年生のみなさん、山中湖「パノラマ台」自然体験はいかがでしたか。皆さんにとって忘れられない思い出の一日になったなら大変うれしく思います。
<リポート 田中留雄>
2025-10-22 |
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イベント報告
スローガンは「成長 With Forest」。今年も開智日本橋学園中学2年生たちが「森のフィールドワーク(FW)」で富士山麓を訪れました。私たち富士山ネイチャークラブのメンバーも開智日本橋学園中学校のFWは毎年楽しみにしている活動です。フィールドは富士山の南側に位置する標高1250mの「西臼塚ふれあいの森林(もり)」、成熟した森が広がる自然豊かな場所です。生徒さんたちはここを舞台に探究活動「森のFW」を3日間かけて実施します。スローガンの達成に向けて私たちガイドもお手伝いさせていただきました。
■8月30日 「事前学習講話」
長い夏休みが明けた8月30日、フィールドワークの本番に向けて富士山ネイチャークラブのスタッフが学校に赴き「事前学習講話」を実施しました。フィールドとなる西臼塚の歴史や現在の森の様子について多くのスライドでご紹介し、現地の状況を理解して頂きました。西臼塚は約8000年前に噴火した富士山の側火山であり、噴火口もまだ残っています。土壌は富士山特有のスコリアですが、長い期間の中でブナやカエデなどの落葉広葉樹が主体の成熟した森となっています。生態系が豊かな森は探究対象も豊富です。この講話で生徒たちは、9月15日から始まる「森のFW」に向けて西臼塚の森に一歩近づけたと思います。
■1日目
9月15日、いよいよ本番当日。西臼塚駐車場にバスが到着すると開校式が行われました。FWはすべて生徒で構成する実行委員会により運営されます。調校長先生からは、「自然の仕組みを解き明かしていくためには五感や第六感もフル動員して、多角的な視点から検証をすすめましょう」と自然観察の要点と自然への親しみを込めたご挨拶がありました。続いてに内田学年主任から「すべて自分ごととして活動していこう」と激励の言葉が響き渡りました。
そして、いよいよフィールドでの活動がスタートします。まずはグループに分かれて「ガイドウォーク」に出発です。都会からきた生徒さんにとって、森は未知の場所と言えるかもしれません。このフィールドの特徴を紹介しながら、生徒たちがより多くの疑問を抱けるようガイドを進めました。
ガイドウォークの後は探究グループ単位での活動に移行し、森の営みや現象をさらに細かく観察して行きます。クマが好きなブナの実、リスがたべたモミの松ボックリ、火山ならではの土壌、かつて製紙産業のために植えられたウラジロモミやミツマタ、木の幹や土壌に広がるコケ、色々な所に生えているキノコなど、様々な自然の営みや現象がありました。目に映るもの、そして、目に見えないものも含め「なぜだ?」と感じる事象を書き出していきます。対象だけでなく対象の周辺を幅広く観察し、その相互関係についても多くの「なぜだ?」を記録していきます。一人一人が自分ごととして「なぜだ?」を発見していくことがとても重要な場面です。
西臼塚での活動を終え、宿に戻ってからも探究活動は続きます。班ごとに「疑問」を出し合い、「本当に知りたいことはこれだ!」に至るまでとことん論議が続きます。この間、ガイドスタッフは生徒さんの相談に対応するため通称「質問部屋」で待機し、活動をサポートしました。
「柔らかい土壌について調べたかったが、ネットで検索したら腐葉土であると答えがすぐでたので、違う問いが良いか考えています」という相談もありましたが、一般論で腐葉土を論ずるのではなく、西臼塚のあの場所のあの土壌の特徴から、より具体的な問いを考えてみてはどうかとのアドバイスも。 今夜の命題である、疑問に対する「仮説」の立案、「検証方法の立案」をまとめ、全30班が1日目の探究活動を終了しました。
初日、最後のお楽しみイベントは実行委員会の企画によるに「肝試し」。叫び声が響き、廊下には人が倒れ(実行委員による演出)、宿の職員さんから聞いた怖い話は本当なのか。しばし探究活動から離れ、大いに盛り上がっていました。
■2日目
2日目は検証のため、再び西臼塚の森へ。本年度は検証用の測定器具も様々準備され、検証の幅を広げました。酸素や二酸化炭素の濃度を測るセンサー、土壌水分センサー、光と色のセンサー、音センサーなどを活用して、疑問の対象をデータ化していきます。一方、道具に頼らずひたすらスケッチを試みて検証作業をする班もあり、さまざまな検証活動となりました。
冬虫夏草と言われる珍しいキノコ「カメムシタケ」をテーマにしたチームはなんと27個のカメムシタケを発見しました。樹皮に生息するコケや古株に生息するコケをじっくり観察する班、木の根元にある植生の違いについて1本1本草の本数を数える班、などなど検証作業は粘り強く続きました。
「疑問」「仮説」「検証」と探究活動を進めていく中、取得したデータが仮説通りにいかないことも沢山起こりました。仮説通りに行かなかったことも探究活動の大きな気づきです。
得られたデータや検証結果は克明に記録していきます。
2日間に渡って行われたフィールドでの活動がすべて終了し、森に別れを告げます。
森から宿に戻って来ると、いよいよ検証結果の考察が始まります。取得したデータや観察記録を整理、分析し、現地で調べ切れなかったことも情報収集し、考察の幅や質を高めていきます。ガイドスタッフも「質問部屋」で相談に対応すると共に、各教室に赴き考察作業を見守りました。
結論までまとめ切ると、一気に模造紙の発表資料を作り上げていきます。全体のレイアウトやデザインを考え、カラーマジックなども使って見た目も分かりやすい資料が出来上がっていきました。残り時間が1時間を切ると、各班の活動は沸騰状態に突入、進捗が遅れ追い込まれた班も必死にゴールを目指します。
“なんとか間に合った。やりきりました” “残り時間が近づき一時頭が真っ白になった”“全員で協力して完成できた” などなど激闘の様子を語る声がありました。定刻の21時、2日目の探究活動が終了しました。
■3日目
発表会は8つの会場に分かれ、全30班の発表が行われました。発表の仕方や姿勢も探究活動の重要な課題と位置づけられ、各班とも工夫に満ちた発表が続きました。発表を終えると質疑応答やフィードバックが闊達に行われ、参加者全員で共有する場となりました。それぞれの発表内容から、自然の多様性と生徒さんたち一人一人の個性の豊かさが重なって見えました。
発表テーマのいくつかを紹介します。色な視点から森の仕組みを解き明かすことができました。
・アブラチャンのオスとメスの距離にはどのような関係があるのか
・冬虫夏草が見つけやすい環境やその見つけ方とは
・キノコが生息する倒木と、しない倒木にはどのような違いがあるのか
・コケの種類によって好む生息環境は異なるのか
・木の幹にはなぜいろいろな方向に折り曲がるのか
・崩れやすい倒木と崩れにくい倒木の違いはなにか
・柔らかい土と硬い土では木の育ち方に違いはあるか
・人工的な切株と自然にできた切り株とではできる植生にどのような違いがあるだろうか
発表会に引き続いて体育館で閉校式がありました。調校長先生からは「この活動は社会人になって必ず活かされる。」との激励のお言葉がありました。続いて内田学年主任からは「3日間、自分事として本気で活動できましたか」と改めて確認がありました。
生徒の皆さん、「森のフィールドワーク」で一歩成長した自分を確認できましたか。また、自然への関心は高まりましたか。私たち人間も自然の中に暮らす地球の一員であることを再認識して頂けたらうれしいです。
開智日本橋学園中学校2年生の探究学習は今後も続いて行きます。この活動を通して更に大きく成長されていくことを心から願っています。
最後になりますが、この活動に参加させて頂いている富士山ネイチャークラブのガイドスタッフにも多くの学びがあり、モチベーションを高めています。 このプロジェクトに参加したすべての人が共に“成長”できた濃い3日間だったと思います。
<リポート 関口東子>
開智日本橋学園中学校 サイト情報
https://www.kng.ed.jp/
2025-08-30 |
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イベント報告
今年も静岡大学教育学部附属浜松小学校5,6年生が「林間学校」の初日、4つのコースに分かれてトレッキングに挑戦しました。快晴のもと、それぞれのコースで自然の成立ちや、仕組を学ぶと共に、自然の醍醐味を体験して頂きました。
<4つのコース>
富士山「宝永火口」コース
富士山「二ツ塚」コース
「氷穴―紅葉台」コース
「精進湖自然観察路」コース
それぞれのコースでの活動の模様をご紹介いたします。
■富士山「宝永火口」コース
登山口となる富士山スカイライン「富士宮口五合目」は、青空の下、風もなく穏やかな天候で、眼下には雲海が広がり、その先には、駿河湾、伊豆半島を望むことが出来ました。トレッキングには最高のコンディションになりました。
元気いっぱいな子どもたちがバスから降りると、その第一声は「涼しい!」 そうです,ここは標高2400m地点の富士山。準備を済ませて、いよいよ宝永火口に向けて出発です。
先ずは、五合目から六合目までの登りに挑戦します。呼吸を整え、一歩一歩進み、身体を慣らしていきます。実は本番10日前の下見の際、この場所で「カモシカ」に遭遇しました。富士山のカモシカは個体数が減少傾向にあるとの報告を聞いていますが、何と遭遇した個体は妊娠中のお母さんカモシカでした。その時に撮影した写真を子どもさん達にも見て頂きました。
「今日もカモシカに会えるかな?」との期待の声もありましたが、残念ながら再現とはなりませんでした。
六合目の手前には、大きな溶岩の固まりがあります。ここで休憩を取りながら、富士山やここの大きな溶岩の成立ちについて学びました。一見して溶岩流のように見えますが、実は2200年前に噴出したスコリアが高熱により再溶融して固まったもので「アグルーチネート」と呼ばれるものです。
6合目を過ぎると、宝永火口に向けてフラットな登山道が続きます。その途中、富士山の山肌に力強く生育する多くの「先駆植物」を観察し、その生態メカニズムに付いて学びました。「オンタデ」「イタドリ」「イワツメグサ」「ミヤマオトコヨモギ」「コタヌキラン」「イワオウギ」などなど、富士山の厳しい環境の中でも、生育領域を拡大している状況を確認しました。
更に進んで行くと、迫力の宝永火口が見えてきました。一番上部の第一火口は長径1300mで富士山最大の噴火口です。
噴火口の底まで降りて、ダイナミックな造形を体感するとともに、思い思いにここでの時間を楽しみました。ガイドのレクチャーに集まった子どもたち、ここでしか見られない「岩脈」や「溶岩の色の違いとその理由」「磁石がくっつく理由」などなど、一緒に考えました。
帰路は、第一火口から第二火口沿いに下り、森林コースで出発点の五合目まで戻ります。途中、宝永山に向かって全員で「ヤッホー!」、きれいな「こだま」が帰ってきました。なぜ「こだま」が返ってくるのか? その条件は? などなどしばし「こだま」論議で盛り上がりました。
「宝永火口」コースに参加した5,6年生36名の皆さん、この日の体験が良き思い出になったとしたらとても嬉しく思います。
<リポート 田中留雄>
■富士山「二ツ塚」コース
富士山の南東にそびえる二ツ塚(1,804㍍)登山に挑戦したのは36名の5、6年生。登り口にある大きな鳥居の前で安全を祈ってのスタートです。
20分ほどで、山小屋(大石茶屋)に到着です。広場からは富士山の山容が見えますが、山頂付近は大きな雲に隠れ見えません。でもお茶碗をひっくり返したような丸い形をした二ツ塚(上塚、下塚)が目に飛び込んできました。「遠いなぁ!」の声は初参加の児童たち。昨年も登った数人の6年生は、「ヘッチャラ、大丈夫」と、余裕しゃくしゃくです。
太陽はまぶしく容赦なく強い日差しを全身に受けます。でも、谷から上がってくる風はヒンヤリと冷たく感じ、「この風サイコウ」と、どんどん高度を上げて行きます。途中の休憩では、足元の小さな小石が江戸時代の宝永大噴火で降ったと知り、317年もの昔に思いを巡らせながら不思議そうに観察していました。
登山開始から約1時間半、下塚の広い山頂に到着です。太陽も心なしか近く感じます。振り返れば、目の前には同じような形をした二ツ塚上塚、その先には、赤茶けた断面が特徴の宝永山が見えます。懸命に登っていた時は気付かなかった眼下には白い雲が点在し、標高の高さを実感していました。
登りとは真反対の斜面に向かうと、吹く風が急に強くなりました。足元に目をやると枝が地面に張り付いた変な形の樹木がありました。常に一方向から吹きつける強風の影響で上に枝を伸ばせず、仕方なく真横に枝を伸ばした「テーブル状樹形」のカラマツです。ヒマラヤにも匹敵すると言われる「強風富士」ならではの出会いでもありました。
たっぷりと満喫した二ツ塚ともお別れです。山頂直下から数百㍍は登山道の脇を下る「砂走り体験」です。足を1歩置くだけで、数歩分も先に進みます。急斜面だけにブレーキも効きません。これが最高に楽しいのでしょう。毎年、一番の人気イベントです。走り終えた全員の手も顔も真っ黒クロスケです。登山道に戻っても重力に任せて足が出てしまうのか、あっという間に山小屋が近づいてきました。その時です。1人笑顔の児童が皆を出迎えてくれました。朝のバス移動で体調を崩し山小屋で引き返した仲間です。でもその後元気が戻り、引率の先生と一緒に小屋の上部まで登ってきたようです。下山してきたメンバーと合流し、更に笑顔がはじけます。登頂はかないませんでしたが、滑るスコリアが楽しく、一緒に駆け下ります。苦しかった登りも吹き飛ぶ36人全員の笑顔と歓声が富士山に響き渡りました。
<リポート 関口 純>
■「氷穴―紅葉台」コース
朝、浜松を出発したバスはお昼前にスタート地点の「鳴沢氷穴」に到着しました。まずは鳴沢氷穴に入洞、暑い日でしたが、洞穴内はクーラーが効いているような涼しさ。狭い場所もあったりして、ちょっとした冒険のようで、盛り上がりました。洞内があまりに涼しくて快適だったので、「もう1回入ろう!」と言う声が続出でした。
次に樹海の森を歩き始めると、すぐに自分たちで、まわりにある溶岩な樹木のかたちなどに関心を示し始めました。自然に対する好奇心が旺盛で、実際に溶岩に触れたりしながら、樹海の森の成り立ちについて考察していきました。
他にも、キノコやコケも観察しました。とりわけ「ザトウムシ」には興味津々。皆初めて出会った虫のようで、何匹も腕に走らせたりして遊んでいました。でも虫に触るのは、大丈夫な子もいれば、そうでもない子もいて、森はキャーキャー賑わっていました。
樹海を抜けて紅葉台に向かう途中、石や倒木をひっくり返して、そこに棲む生き物の観察する子も。観察の後は、動かした石や倒木をもとに戻す自然観察のマナーも身につけました。
青く綺麗な「ルリボシカミキリ」や輝く「コガネムシ」などを見つけて楽しみながら、元気に紅葉台の展望台へ。展望台に上ると、心地よい風が吹いていて、富士山と青木ヶ原の絶景を眺め、みんなで記念撮影をしました。
<リポート 赤池雅之>
■「精進湖自然観察路」コース
11:20、精進湖チームが湖畔に到着です。先ずは、木陰でお弁当を食べてから、湖畔のレクチャーを実施。大室山を抱く『子抱富士』のお話から。お天気が良ければこんな感じの眺めになります。
だけどこの日は、富士山は雲の中でした。しかし大室山ははっきり見えましたね。正面に青木ヶ原樹海も見えています。
これから樹海探険に出発です。1200年前まで、ここには広大な『セノウミ』という湖があったとのこと、その大きな湖に灼熱(1200度)の溶岩流が流れ込むと、どうなってしまうのだろう? いよいよ探検が始まります。
始めに訪れたのが『溶岩ローブテュムラス』
難しい名前ですが、溶岩流が「セノウミ」に流れ込むと、水に冷やされて表面が固まりますが、中はまだどろどろの溶岩流で、上部から押し寄せる溶岩流の圧力で表面がパックリと縦に割れてしまったものです。
続いて、樹海の遊歩道を探索します。鹿の頭骨も発見しました。リスの松ぼっくりを食べた痕(エビフライ?)も観察しました。やがてまたまた湖が見える場所へ。
ここからは富士山が見えるはず。残念、今日は雲の中だけど、みんなで声を合わせて『ヤッホー!』、右側の山塊に「こだま」しました。
木陰で一休み。青木ヶ原樹海にいる動物のお話などを。「ツキノワグマもいるんだって!」 豊かな森には、たくさんの動物たちが暮らしています。
やがて、今日の最終目的地点へ。
『釜畑』という1200年前の水蒸気爆発の痕。ほんとうにまん丸なんだね。富士火山のダイナミズムを感じます。
「あずまや」で一休み。樹海もけっこう蒸し暑い。だけど、みんな頑張りました。
最後に聞いてみました。来年はどこへ行きたい?
宝永火口! 二ツ塚! 紅葉台!
希望が分かれましたが、どこを選んだとしても、富士山の懐でそれぞれに楽しい自然体験が出来るでしょう。来年も元気な浜松小の子どもたちにお会できることを楽しみにしております。
<リポート 舟津川由利>
2025-08-02 |
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イベント報告
毎年、6~10月にかけて、杉並区の小学校20校ほどが山中湖を訪れます。6月19日杉並第三小学校の5年生が「明神山登山」に挑戦しました。梅雨の晴れ間、とても暑い日でしたが、全員無事に登頂することができました。
まずは準備体操。みんなに「元気ですか」と聞くと、「はーい!」と大きな声で返事をしてくれました。しかし、中には「早く目が覚めちゃった」「あまり眠れなかった」という声も。初めての宿泊体験で、ドキドキの夜でしたね。山登りは初めてという子どもさん達もいたので、“一歩一歩を積み重ねれば、だれもが頂上に到達できるよ”と伝え、宿舎からスタートしました。
本格的な登山道に入る前にもたくさんの自然を見つけました。さわやかな香りのサンショウ、独特なゴマのような香りのゴマギ、枝のかたまりのようなまるい植物ヤドリギは、不思議な感じでした。
道端にも道路わきの斜面にも動物の足跡があり、広場ではなんとシカの骨も見ることが出来ました。木の幹にはシカの角研ぎ跡もあり、身近にシカが生息していることを実感できました。
中華料理でおなじみのキクラゲもあり、「やわらかい!」「ふわふわ」「固いのもある!」と、実際に木に生えたキクラゲの感触を楽しみました。これぞ体験学習のだいご味ですね。
いよいよ道も登山道となり、本格的なのぼりが始まります。
「アメ、食べていいですか?」とさっそくごほうびを催促した子がいましたが、「のぼりはまだまだ続くからもう少し頑張ってからのお楽しみにしよう!」と先生。どんなフレーバーのアメがあったら嬉しいかを真剣に語り合いながら進みました。
山中湖は都会よりも春の訪れが遅く、ちょうどこの時期は森が一斉に緑に覆われたところです。枝葉を広げた森には木陰ができ、涼しく感じられました。遠くからは一番早く鳴き始めるハルゼミの声が聞こえてきました。
前半はきついのぼりが続きます。「えっさ!ほいさ!」と子どもたちの掛け声が響きました。
葉にほんのりみかんのようなさわやかな香りがするアブラチャンの木は、むかし油をとって利用していたことを話すと「木から油は想像できない」との感想。むかしの人はいろいろと工夫を重ね、山の木々を生活に役立てていたことを思い浮かべました。すると足元にオトシブミが落ちていました。アブラチャンの葉で作ったのでしょう。ちいさなかわいらしい包みのようなオトシブミでした。そのあともオトシブミをたくさん見つけることができました。
「えっさ!ほいさ!」の掛け声はまだまだ続きました。のぼりが終わると稜線沿いに歩くことができ、歩みもずっと楽になります。斜面に身体をむけるとさわやかな風が吹いてきました。
「天然クーラーだ~。気持ちいい~!」 汗がひき、心地よい風に包まれ、さわさわと木々が揺れる音を聞きながらの森林浴になりました。水たまりのあとのような、道に大きなくぼみがありました。動物の足跡もあり、動物たちのお風呂場、ヌタ場でした。イノシシがよく利用する場所です。
木のトンネルを抜けると空が見え一気に明るくなり、頂上に到着しました。わあわあと喜びの歓声と「ヤッホー」の叫び声。山中湖もよく見えます。出発地点の宿も見下ろせ、あそこから登って来たのだと実感できました。みんな本当によく登り切りました。
水面がキラキラした山中湖が見え、頂上からの景色は最高でした。「山中湖がきれいでびっくりした。ずっと見ていたい」と感動の声も。お昼ご飯を食べ、登山の疲れをいやしました。
帰りは登ってきたところを下るのではなく、違うルートを下ります。晴天が続いた山の地面は乾燥していて滑りやすく、気が付けば、何人もがしゃがんで、下りていました。
ゴールに到着するとたくさんの感想が寄せられました。「動物の足跡が印象的でした」「下山の尻スキーが楽しかった」「植物のにおいが思っていたのと違った」「バイケイソウがたくさんあってきれいだった」「毒のある植物を知れてよかった」
杉並第三小5年生のみんなが感じたことすべてが今日の思い出です。「明神山登山」は4時間コースで長く、また、途中きつい登りもありましたが全員が頑張り、無事登頂できました。頂上に立った時の達成感と爽快感は、忘れられない体験になったことでしょう。これからも色々な山登りに挑戦し、楽しんでくださいね。
<リポート 関口東子>