2023年5月23日 横浜市立新井中学校1年生「草木染め」体験
新緑が美しい富士山麓に横浜市立新井中学校1年生の皆さんが「自然教室」でいらっしゃいました。入学して間もないこの時季の宿泊旅行でしたが、活き活きとした生徒さんたちの表情には中学生になった自覚や中学生生活のスタートに向けた希望に満ちあふれていました。
初日の午後、ホテルのホールで「草木染め」を体験して頂きました。現在、主流となっている化学染料は江戸末期に日本に入って来ましたが、それ以前は自然素材(植物、岩石、生物)を使った染めが行われていました。そもそも色の付いた布は貴重で高価でした。身分の高い人の衣類の生地として、更にはお守り、おまじない、魔除けの役目も果たしていました。
草木から染め液を抽出した「草木染め」は古くから伝わる日本の伝統工芸として受け継がれて来ましたが、今回、この古来の技を体験して頂きました。
染め液は「マリーゴールド」から抽出したもの使用しました。当法人のメンバーが畑で育てたマリーゴールドを秋に刈り取り、それを刻んで煮出して抽出した染め液です。染める布は「バンダナ」。
先ずは「バンダナ」に輪ゴムを巻いて「模様付け」を行います。模様の出来上がりを想像しながら、強く巻いて色の境目をはっきりさせたり、緩く巻いてぼかしたりと作業を進めていきます。個性が大いに発揮される場面です。色々な発想が入り混じって模様が出来上がっていきます。“いやー、もうどんな模様になるか想像付かなくなってしまった!”と生徒さんの正直な声が。
模様付けが終わるといよいよ染めに入ります。染め液に浸けて、媒染液(ミョウバン水)に浸ける・・・・これを何回か繰り返していくと、徐々に「マリーゴールド」の黄色に染め上がってきました。
色が落ち着いたとこで、いよいよ輪ゴムを外し、そこに描かれた模様とご対面です。素晴らしい作品が出来上がりました。
生徒さんからは“染め液が臭かった”“全く想像外の模様が出来た”“とても良い色が出てきて楽しかった”“この作品に満足している”などなど率直な感想を伺うことが出来ました。また、「もの作り」は楽しい! 自分の感性が表現出来た! 自然素材で作った作品は環境にも優しい! などなど「草木染め」体験から新しい気付もありました。やってみて初めて分かることが沢山あります。これからも色々なことに挑戦して感性を高めていって欲しいと願いつつ、生徒さんたちとお別れしました。
<リポート 田中>