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Blog, イベント報告
2023-06-13

2023年5月17日 横浜市立名瀬中学校2学年 「樹海~三湖台ハイク」

 昨年に引き続き、今年も横浜市立名瀬中学校のみなさんと「樹海~三湖台」へ行って来ました。スタートは富岳風穴、そこから青木ヶ原樹海の森を抜けて足和田山系の三湖台に至るトレッキングルートです。

 樹海の体験は初めてとの生徒さんが多い中、「青木ヶ原樹海のイメージは?」と聞いてみると、「怖くて暗いイメージ」という生徒さんの声がほとんどでした。

 先ず、富岳風穴に入洞しましたが、「森の中にあんなに大きな空間(洞穴)があるなんて」「中は寒くてびっくり」などと驚きの声が上がっていました。溶岩洞穴の成立ちに興味津々の様子でした。青木ヶ原樹海は平安時代初期の864~866年の貞観噴火が由来で、この時、大量の溶岩を富士山は噴出しました。溶岩が流れて表面が冷えて固まり、内部は高温のまま流れ続け、トンネル状の穴ができあがるのです。樹海には溶岩洞穴が100個以上あると言われています。

 森を歩きながら、それぞれの班で決めた「テーマ」に沿って自然観察を進めて行きました。「キノコ」がテーマの班は、1センチにも満たない小さなキノコも見逃さず、熱心に写真を撮っているのが印象的でした。溶岩台地の起伏の激しい厳しい環境の中にあっても木々やキノコがしっかり育っていること、また、リスやネズミの食痕なども観察することができました。

 樹海を抜けると、森の雰囲気が一気に変わります。「見渡せる感じ」「明るい」と生徒さんたち。足和田山系は、富士山よりもずっと前、約1000万年前に海から隆起してできた山で、ヒノキやツガなどの針葉樹が多かった樹海に対し、ミズナラやミズキなどの落葉樹の森になります。

 ここから少しずつ登っていくと、すばらしい景色が広がります。この日は晴天で数日前に富士山に降った雪の白さと空の青のコントラストがとても美しい光景を作りだしていました。

 ひとつめの展望スポット、「旧紅葉台」で初めて富士の勇姿が表れ、大きな歓声が上がっていました。

 そして二つ目の展望スポット「紅葉台」では感動の大パノラマが広がっていました。

 さらに登っていくと三湖台山頂になります。広大な青木ヶ原樹海、西湖、本栖湖を見渡せ、樹海の広さを実感することができました。もちろん富士山の眺めも最高でした。

 ゴールでの振り返りでは、「樹海の暗いイメージはなくなったかな」と感想がありました。青木ヶ原樹海というひとつの森が生まれた時期や成立ちを学びながら現地、現物を体験して頂きましたが、班で掲げた「テーマ」に沿ってひとりひとり新しい発見ができたようで、とても嬉しかったです。これからもさまざまな自然に目を向けて、体験を積み重ね、感性を磨いていってください。

<リポート 関口>

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