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Blog, イベント報告
2023-06-15

2023年5月29日 狭山市立堀兼中学校2年生 「青木ヶ原樹海体験学習」

 「楽しみにしていた富士登山でしたが、青木ヶ原樹海でもいろいろな体験をしましょう」と開会式で元気よく挨拶された代表の生徒さん。あいにくの天候で、「富士山五合目中道ツアー」が変更され、「青木ヶ原樹海の体験学習」が行われました。

 先ずは「コウモリ穴入洞」からスタートし、その後ゴールの「野鳥の森公園」まで、青木ヶ原樹海の自然について体験学習して頂きました。

 体験学習は「なぜ?」「どうして?」「不思議だ!」などの気付きから始まります。好奇心や積極的な姿勢がその源になりますが、生徒さんからは様々な感想、疑問、質問がありました。その都度ガイドを交えて積極的なディスカッションが行われました。

・一番最近の富士山噴火は? “宝永噴火!江戸時代!”と即答の生徒さん

  >側火山であることも知っていました。すごいね。 

・青木ヶ原樹海の第一印象は? “青い” “綺麗”

  >青木ヶ原樹海の特徴を見事に表現されました。

・樹海の中には、様々な溶岩の造形が。盛り上がったところ、割れたところ、穴になったところを見て、“すごい”“かっこいい”

  >ダイレクトな感想ですね。

・“鍾乳洞の天井は凸凹していたが、コウモリ穴(溶岩洞穴)はあまり凸凹していなかった”

  >洞穴の出来方の違いに早速気付いていました。

・コウモリ穴(溶岩洞穴)の第一印象は? 即座に “寒い!”

  >なぜ、寒いのか・・・皆で考えてみました。

・縄状溶岩流を見て“これは「WiーFiマーク」だ” 

  >発想の豊かさに感動。なるほどなるほど! どちらも波の形ですね。

・“一つの溶岩洞穴の中でもツルツルの表面、縄状の溶岩、天井から溶岩が垂れた跡、壁からずり落ちた溶岩などなど、様々な現象があることが確認出来ました”

  >ではなぜ、そのようなことが起きたのでしょうか? ガイドの説明に納得の様子でした。

・“コウモリは哺乳類唯一の自力飛翔できる生き物だよ”と解説してくれた生徒さん。

  >お見事です。

・“樹海の中では磁石が効かないと聞いたが、本当ですか?”

  >では、実際に磁石を近づけて見ましょう。 確かに回った! でも、ちょっと遠ざけると磁石は正常に動くことも確認出来ました。 

・“磁鉄鉱は知っています”と複数の声が。

  >近づけると磁石が回る理由に納得の様子、そしてすべての溶岩が回る訳ではないことも理解出来ました。

・松ぼっくりを食べた跡(森のエビフライ)を発見して“これはリスが食べたものだよ”と解説する生徒さんが複数いらっしゃいました。

  >松ぼっくり(ツガ、アカマツ、ゴヨウマツなど)のエビフライを皆で探す姿はとても微笑ましかったです。

・松ぼっくりが岩の隙間にいっぱい積んであるのを見て“これはリスの仕業だね”

  >細かなところに注目できました。リスの生態をご存じのようでした。

・シカが樹皮を食べた跡をみて “木が枯れてしまわないのか?”と心配の声が。

  >枯れてしまった木と生き残っている木を比較してみましょう。

・植物が生きるための条件は? すかさず“水分、養分、光”と回答。学校で習ったとのこと。

  >樹海は植物にとって非常に厳しい環境にあることを実感しながら、 樹海の「森の変遷」について事例検証しました。

・ギンリョウソウを発見すると“この植物はキノコから栄養もらっている”と説明してくれた生徒さん。

  >その通り、秋になると近くにキノコが出る可能性がありますね。

以上の他にも、色々な発見から、話が盛り上がっていました。

 ひとつのグループでは鳥の卵を2つも見つけました。ともに孵化したあとのものでひとつは青みがかっていて、もうひとつは白でした。生徒さんたちの顔がパッと輝いた瞬間でした。言葉で語って伝えるより、その時その場で出会う、現象、現物を確認することが圧倒的に感動を共有出来ることが実感できました。青と白の違いは謎のままでしたが、生徒さん達が今後解明してくれることを期待します。

ゴールの野鳥の森公園

 たくさんの “なぜ?” “どうして?” “不思議だ!” の気づきが生まれた体験学習でした。自然体験学習においてこの気づきはとても重要で、そこからそれぞれの発見や意見について、お互いに考え、学び合うことができるからです。どんな小さな発見も躊躇せず発言してくれた堀兼中学校の生徒さん、ありがとうございました。みんなの気づきから自然体験学習は何倍も面白く、そして学びの幅を広げることが出来ることを改めて感じることができたツアーになりました。

<リポート  関口、田中>

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