2022年10月6日、7日 杉並区立荻窪小学校5年生 富士移動教室「草木染」「ネイチャーラリー」
10月6、7日に、杉並区立荻窪小学校5年生の子供たちと「草木染め」と「ネイチャーラリー」を行いました。前日から天候は荒れ模様で、二日目の山中湖を見下ろすことができる明神山登山の予定は「草木染め」の活動になりました。でも子供たちは元気いっぱい。移動教室を楽しむ姿勢は天候など関係なく心も身体もリフレッシュできたようでした。
「草木染め」は、草木で煮出しだした染液で布を染めます。今回は「セイタカアワダチソウ」という草花で作った染液で染めました。北アメリカ原産で黄色い花が特徴です。
まずは、白いバンダナを輪ゴムでしばり模様付けします。輪ゴムをどのように巻くかで模様が変わり、強く巻くと染液が入らないので白地に、ゆるく巻くと淡い染め色に、巻かれていないところは本来の染め色になります。
「模様をイメージしてみて」と促しても、子供たちは「想像できない。どうしよう」と悩む姿もありました。でも実際に輪ゴムでバンダナを巻いていくと手が勝手に動くようになるのか、バンダナの中央を巻いてそのあとに四隅をまとめて巻いてみる、輪ゴムを少しずつ全体的に巻いてみる、などなど個性が出てきました。
実際に輪ゴムがどのような模様を作り出すかは、正確には分かりません。予測不可能であることには不安もよぎりますが、体験活動はワクワク感の方が勝り、子供たちの創作意欲がどんどんあふれてきます。模様付けが終わるといよいよ染めの作業になります。
バケツに入った染液にバンダナを入れ5分ほど漬けます。静かにかき混ぜながら行いますが、染液の色は深くにごった緑色。おそるおそる手を入れる子供たちでしたが、全員で「きれいに染まれ」と祈りながら染めました。色を定着させるために媒染液にも入れ、これを数回繰り返しました。
「見て、見て~」と、最後に輪ゴムを外したバンダナを広げて見せてくれた子供たち。どれひとつとして同じものはできません。草木染めは自然のものなので、毎回同じ色合いになるわけではないのも魅力の一つで、まるで子供たちの成長と同じようにひとつの色に均一に染まらないのが面白いのです。
翌日もあいにくの雨になってしまいました。屋外広場で行う予定だった「ネイチャーラリー」は、体育館などを中心に宿舎の屋内で行われました。子供たちの声が宿舎内にこだました一日になりました。ラリーの種目も屋外で行う時とほとんど変わらず、多種多様なものに挑戦することができました。5,6人の24チームに分かれ、8種目のラリーを体験しました。
広い体育館では「やり投げ」「魚つり」「目かくしロープ」を行いました。「さあ、マンモスを捕らえるつもりで!」「え~い!!!」と元気な声が響いたのは「やり投げ」でした。
「わあ~落とした!」「もっとつるぞ!」と、時間制限付きの「魚つり」は慌てずたくさんの魚をつる競技でした。
「右!いや左曲がって!」「え~どっち???」と、そろそろ歩きながら進む種目は「目かくしロープ」。目隠しをしてロープを持って歩くので、「暗くてこわかった」「もっと長い距離を歩いた気がする」と暗闇体験は新鮮でした。
屋外では、いつも人気の「火おこし」と「丸太切り」を行いました。雨天でうまく火がつくか、スタッフの心配もよそにしっかり火をおこすことできました。「私はできなかったけれど、火おこしが一番楽しい」と、今回もその魅力にはまった子供は多数いたようでした。「丸太切り」はのこぎりの扱いは初めてという子供が多く、貴重な体験になったことと思います。
重さという感覚を改めて実感してみる「重さ当て」。そろりそろりと気配を隠しながら歩く「サイレントウォーク」。日常生活ではなかなか意識しない感覚を呼び覚ます「ネイチャーラリー」は毎回子供たちに好評で、時間終了まで、何度もラリー種目に挑戦し続ける姿は本当にうれしく思います。
最後にこのラリーの目的を子供たちに聞いてみると、
「昔の体験」「サバイバル」「自然を味わう」「チームワーク!」「昔からの伝統的な方法を知ること」など、すばらしい答えが返ってきました。
「全部、正解!」です。体験活動の学びが、ラリーを通して伝わったことに感動しました。意見が分かれても、それをどのようにまとめ上げるかを全員で話し合いながら進めていく姿もみることができ「チームワーク」という答えが出たのだと思いました。荻窪小5年生の子供たちがチーム一丸となれた二日間でした。
<リポート 関口>