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Blog, イベント報告
2022-12-09

2022年11月5日 森村学園中等部1年生 「青木ヶ原樹海自然探索」

富士五湖地方を紅葉が染め上げていたこの日、森村学園中等部1年生の皆様を「青木ヶ原樹海と溶岩洞穴」にご案内させて頂きました。

 ご案内した「西湖コウモリ穴~野鳥の森公園」のコースは、現地で最も奨励されているモデルコースとなっていて、2時間というガイドウオークで富士山の造り上げた火山活動による大自然の奥深さに触れることができます。

この日のプログラムは選択制とのこと。4つプログラムの中で最も人気があったそうです。前日の活動では(やはり選択制だったそうです。)「金時山に登ったんです!」という元気で自然大好きな生徒さんもいらして、「なかなか良いチョイスですね。」と、こちらもテンションが上がります。

 箱根火山帯に属する30万年前の成層火山である「金時山」と、まだ新しい火山である富士山のしかもわずか1200年にも満たない噴火の溶岩上に形成された「青木ヶ原樹海」と、どこがどのように異なるのか、そしてそれは何故なのか、自然は謎に満ちていますが比較していくことで大いなるヒントが得られたことでしょう。

  全体の概要をお話ししたのち、まずは「西湖コウモリ穴」に入洞します。青木ヶ原樹海には100以上の溶岩洞穴が発見されていますがこちらはその代表的なもの。森林生態系の一員である(大切な役割を担う)「コウモリ」が多数生息していることでこちらの洞穴とコウモリは天然記念物として保護されています。

 このような溶岩洞穴が富士山の火山噴火によってどのように出来たのか、「溶岩チューブ潜り体験」や「縄状溶岩の観察」を通して考え、学びます。

 40分ほどの溶岩洞穴体験のあと、いよいよ青木ヶ原樹海の探索に向かいます。

 森にはその森の主人公の樹種があって、例えば世界自然遺産の「屋久島」では「屋久杉」、同じく世界遺産の「白神山地」では? 

「ブナ!」

元気よく答えてくれた生徒さんがいて嬉しくなりました。そう、だけどこの森にはスギもブナもなくて、ここの主人公はね...。

 そこでこちらの主人公のご紹介。枝ぶりや幹の特徴などで見分け方をお伝えします。何故、スギやブナがないのか、なども含めてそれぞれの森林生態系の成り立ちやそれぞれの異なる環境のことなど。熱心にメモを取る生徒さんもいらして、「レポートを書かないといけないんです。」 どんなレポートに仕上がったでしょうか。いつか見せていただきたいものです。

 この日の青木ヶ原樹海はその名に由来する青々とした針葉樹が広がっていましたが、三割ほどの落葉樹が美しく林床を染めており、「紅葉の秘密」についてのレクチャーもさせていただきました。

 また、たくさんの生物の温床でもあります。哺乳類、野鳥、昆虫などなど。その動物たちの痕跡の中で、シカと二ホンリスのお話をしました。特定の種類が減っていく、あるいは増えていく、その原因はどこにあるのか。わたしたち人間だけの問題だけではなく地球環境を考えるSDG‘sにもつながって行きそうなテーマです。

 この日のゴールは、「野鳥の森公園」。

 到着したとたんに歓声があがります。それもそのはず、青木ヶ原樹海の中では見られなかった深紅のモミジのお出迎え。そして、富士山も顔を出して、最高の秋の一日になったのではないでしょうか。

<リポート 舟津川>

◆参考情報

森村学園 サイト情報

森村学園 中等部・高等部 (morimura.ac.jp)

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