2023-10-24 |
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イベント報告
「がんばって歩くぞー」「おー!」。9月28日、元気よくハイキングに出発したのは、聖ヨゼフ学園小学校の4年生48人。コロナ禍もあり久々の野外活動に皆ワクワクです。
場所は富士山五合目。標高2,300㍍の雲上の楽園です。天気は快晴。富士山ならではの強風に見舞われましたが、長袖、長ズボン、ヤッケに軍手の装備は万全です。
お中道の登山道には小石がいっぱいです。軽石のスコリアです。手に取って観察します。たくさん空いた小さな穴、黒と赤色の違いの説明に、納得の表情。雪の重みで曲がりくねった幹のダケカンバの生命力にも「こんなに固い幹なのにすごい」の感想もありました。
山中は秋を迎え、黄色く染まったオンダテの葉が逆光に美しく輝きます。昆虫の姿は既にありませんが、真っ赤に色づいたコケモモの実が出迎えてくれました。斜面に張り付いた白いハナゴケの中から顔をのぞかした小さな赤い実がいっぱい。コケモモジュースやジャムを知っているだけに、本物の姿に「かわいい」の連発。
歩くこと約2時間、「お昼まだー?」の声があちこちから聞こえてきました。ようやく御中道の終点です。残りの行程は樹林帯を下るだけ。約3キロの行程を無事に歩き切りました。
午後は宿舎でカリンバ作りに挑戦しました。カリンバは「ハンドオルゴール、親指ピアノ」とも言われ。固い金属の棒を指ではじいて音を出します。カリンバ作り、演奏のプロでもあるスタッフの上岡雅之が用意した全て手作りのパーツを組み立てます。
どんな音が出るのでしょうかと、上岡による即興演奏です。部屋に響き渡る優しくも不思議な音色に拍手喝采です。さあ、組み立ての開始です。手のひらサイズの板に長さの違う6本の金属棒を取り付けますが、先端に突き出た棒と土台の板に間に固定するための小さなパーツがうまくはまりません。力任せだと、せっかく並べた棒がずれしまうなど悪戦苦闘の連続です。スタッフや先生方の手を借りながらも、一つ一つの行程をみんなでこなして行きました。
最後に金属棒の真下に設置した丸い棒を奥に寄せると6本の棒が少し浮き上がりました。さっそく指ではじいてみます。すぐ目の前から出る音に感嘆の声が上がりました。世界で1台、自分だけのカリンバの完成に、みな笑顔、笑顔です。この後は、白木の板に多色マーカーで絵を描きました。富士山の絵を描く子供たちも多く、スタッフにとってもうれしい光景でした。
<リポート 関口純>
聖ヨゼフ学園小学校サイト情報
小学校|聖ヨゼフ学園 (st-joseph.ac.jp)
2023-10-20 |
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イベント報告
聖ヨゼフ学園小学校1年生が4年ぶりに「体験学習」で山中湖村にいらっしゃいました。初めての宿泊体験に楽しさ倍増、元気に「ネイチャーラリー」と「フォトフレーム作り」を体験しました。
■「ネイチャーゲーム」
初日、山中湖文学の森「かちかち山広場」に56人の子供達がやってきました。自然豊かなこの場所で「ネイチャーラリー」に挑戦します。児童の代表者が「このネイチャーラリーをとても楽しみにしてきました。今日はよろしくお願いします」との挨拶があり、サポートするスタッフも一気に気持ちが高まりました。1チーム5人程で色々な課題に挑戦し、クリアー出来たら「ごほうびハンコ」がもらえます。ラリーカードが「ごほうびハンコ」でいっぱいになるまで挑戦が続きました。
2時間の活動時間があっという間に過ぎてしまいました。休むことなく挑戦し続けた子供達は達成感に溢れていました。「楽しかったー」との大反響に、スタッフの笑みがこぼれました。
■「フォトフレーム作り」
夕食後のひととき、宿舎で「フォトフレーム作り」を楽しみました。自然素材をレイアウトして自分好みの作品を仕上げて行きます。そして今回の体験学習の記念品として一人一人の子供達の力作が出来上がりました。
午後に「ネイチャーラリー」、夕食後の夜は「フォトフレーム作り」と盛りだくさんの体験学習に取組みましたが、まだまだ元気いっぱいの子供達はすごいね。今日はゆっくりお休み下さい。そして、明日は「カババス」を楽しんで下さいね。
<リポート 田中留雄>
聖ヨゼフ学園小学校 サイト情報
https://www.st-joseph.ac.jp/primary/
2023-10-13 |
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イベント報告
プレセカンドスクール2日目は、宿泊所のグラウンドで、自然体験活動「ネイチャーラリー」に挑戦しました。現代の生活からは想像できない、原始の時代をゲーム形式で体験します。
スイッチひとつで電気もガスも使え、生活するうえで欲しいものがあれば、すぐに手に入るのが現代社会ですが、「ネイチャーラリー」では食料も火も自分で手に入れなければなりません。使えるのは自分の五感。でも誰もが持っている能力です。ふだんは意識しない五感で「ネイチャーラリー」を乗り切ります。
目が見えなくても皆で協力して前に進む「目かくしロープ」、自然物ではないものを見つけ出す「カモフラージュ」、獲物を捕らえるための「パチンコ」「やり投げ」「サイレントウォーク」、整備されていない道を歩く訓練「竹ぽっくり」、手で重さを計ってみる「重さ当て」、自ら火を作る「火おこし」などなど、グループ一丸となって取組みました。
「ネイチャーラリー」を体験した子どもたちはみな「楽しかった!」と大歓声でした。「これで原始の時代にも生きていけるね」と声を掛けると、「大丈夫!」と頼もしい答え。
今回のプレセカンドスクールでは、「お中道探究学習」や「ネイチャーラリー」で自然との関係をさまざまな角度から学ぶことができました。
<リポート 関口東子>
2023-10-13 |
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イベント報告
毎年、武蔵野市立桜野小学校4年生はプレセカンドスクールで富士山を対象にした「探究学習」を実施しています。今年も5月2日に当法人のガイドスタッフが学校にお伺いして「富士山の自然講話」を実施、9月の現地学習に向けて探究学習をスタートしました。
探究学習は「自ら疑問を発見し、その中から本当に「知りたいこと」を絞り込んで、自ら調査し、仮説を立て、最終的には現地を探究して、「知りたいこと(疑問)」を解き明かしていく活動です。
ガイドの講話を聞きながら、その場で抱いた疑問を次々にメモしていく子供たちの積極的な姿勢はこの活動に向けた強い意欲の現われでした。先生にお伺いしたところ30個以上の疑問を書き出した子供さんもいたとのことでビックリしました。より多くの疑問を考えることが出来たことはこの活動に幅や深さをもたらしてくれます。
講話の後は、各教室を回って質疑応答をしました。桜野小学校の子どもたちは、現代では珍しく木の机で学んでいます。教室の中はどこか懐かしく温かい雰囲気に包まれていました。スライドで見たお中道の自然について、たくさんの子どもたちが手を挙げて質問してくれました。
「富士山が噴火したら東京はどうなりますか?」「キツネやカモシカなど、動物と遭遇することはありますか?」「富士山には雪はいつからいつまで降りますか?」「富士山はなぜ、富士山という名前になったのですか」などなど、子どもたちの好奇心が一気に膨らんでいったのがわかりました。
その後、校内活動として資料(文献)やインターネット等を活用して、自分の「知りたいこと」に対する調査を行いました。調べた結果から「多分答えはこうだろう」とする仮説を考え、現地での探究に備えました。
9月6日、いよいよ実際の富士山に立ち、自分たちの目で探求する時がやってきました。当日の富士山五合目は霧雨模様でしたが、風も弱く、歩行可能な天候でしたので、さっそくお中道へ向かいました。調べたいテーマごとのグループに分かれ、ガイドも生徒さんの疑問「知りたいこと」に焦点を合わせて解説していきました。
・不思議な雲の形
・キノコの秘密
・木々の幹肌や葉の様子
・荒れ地に生きる植物の生態
・火山礫の色や重さ
・どんな哺乳類や昆虫が生息しているのかの痕跡探し
・鳥の鳴き声
などなど、それぞれが意欲的に問いの糸口を探っていました。熱心に観察したり質問したり、考えたりして、探究ノートにイラストやメモが沢山書き込まれました。
森林限界の森を抜けると、霧も晴れ、下界の湖も見えてきて、思わずヤッホーの声が出ます。更に森林限界を進みながら観察を進めます。
道中、こんなゲストも(アサギマダラ)
そして見晴らしの良いところで昼食を頂きました。
昼食後、富士山の赤や黒の溶岩礫を踏みしめて、ジャリジャリと音を立てながら楽しく下山しました。
当日の夜は、宿舎で「探究ノート」の内容について整理しました。よく理解できなかったところをガイドに聞いたり、友達どうしで確かめたり、と「探究ノート」をより充実させる活動が続きました。
そして、翌日の夜は、一人一人が昨夜整理した「探究ノート」を見ながら、現地で「分かったこと」を探究報告書に書き出し、「探究活動の感想」も書き添えました。夜9時、「探求学習」の大きな山場を超えた子供達は達成感に満ちあふれていました。
■最後に
4ヶ月間に渡って活動してきた「探究学習」の感想を子供たちに聞いてみたところ「楽しかった!」という声が即座に返ってきました。先生方は「楽しく学ぶ」ことを最も重視されていましたが、それが確認出来た瞬間でした。
最後に代表の子供さんからお礼のご挨拶がありました。“僕は、今回の活動で色々なことが分かったが、「知りたかったこと」の本当の答えまで届かなかった。しかし、今後、更に色々な調査を進めれば本当の答えに近づけると思っています。”と言う旨の発言がありました。
「楽しかった!」は積極的な行動の証しであり、「本当の答えにもっと近づくための次の戦略」に思いを馳せる姿は、まさに「探究学習」の神髄です。そのことを子供達が見事に実践してくれました。
<リポート: 関口東子、藤園麻里、田中留雄>
2023-09-05 |
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イベント報告
小学生になって、まだ1年ちょっとですが、元気いっぱいな聖ヨゼフ学園小学校2年生の体験学習を2日間に渡ってサポートしたしました。
■7月5日午後 「ネイチャーラリー」
現代の便利な生活から、とっても大昔の電気もお店もない、原始の時代の生活をゲームで体験する「ネイチャーラリー」を山中湖村の「かちかち山広場」で行いました。
「ラリーは高得点をねらうより、班ごとに仲良く協力することが大切です」と、先生から話がありました。ラリーは8つのポイントを班ごとにまわります。班のメンバー全員が協力してポイントの課題をクリアーしたら、次のポイントに進めます。
獲物をとらえるワザが試されるのが、「ハンター」、「ヤリ投げ」、「ジャングル」。道具を使って獲物を捕らえていた時代、うまく石をパチンコで飛ばせるか、ヤリを遠くに投げられるか、何回も工夫しながら挑戦しました。ジャングルでは獲物に近づくために姿勢を低くしながら移動することが求められました。
「竹ぽっくり」は悪路を進む訓練、「目かくしトレイル」では暗い夜を歩くように目かくししてゴールを目指しました。また谷があれば、ロープを張って渡る必要があります。「ロープ渡り」でロープの上を歩きました。
どこに潜んでいるかわからない獲物を探すために視力を試す「カモフラージュ」、重さの感覚を呼び起こす「重さ当て」も楽しみました。
初めて体験することも多かったと思いますが、グループメンバーが協力して課題をクリアー出来、実りのある体験学習になりました。
■7月5日夜 「暗やみ体験」
夜の部は宿の体育館で「暗やみ体験」を行いました。明かりを消した体育館は真っ暗で走り回ったりはできません。暗やみの中、4つの課題に挑戦しました。
「目かくしトレイル」は、夜の森の中をイメージ。目かくしをして、見えない暗やみでも動けることを体験しました。マットで足元をデコボコさせましたが、子どもたちは慎重に、でも勇気を出して歩くことができました。
「匂い当て」は、森にある植物の匂いを当てるゲームをしました。この日はヨモギ、ゴマキ、サンショウの3つの匂いをかぎ分けました。難しいかなと思っていましたが、子どもの臭覚は敏感で匂いを感じることができました。
「さわってみよう」では、箱の中にあるものを触って何であるかを当てます。何が入っているかわからない箱の中に手を入れるのはドキドキしますし、中身を触った瞬間も何かが分からないので驚きの連続です。タワシの箱では「サボテン?」「ハリネズミ?」などタワシのチクチクに想像力が広がりました。
「シルエット」では、いろいろなものを影絵で観察しました。いろいろな角度から影絵を写し、何の影絵か当てました。影絵からも物を特定できる能力を試しました。
最後は全員が床に寝転んで、「暗やみの音を聞こう」を行いました。体育館の中でも外の音が聞こえてきます。虫の鳴き声、風にゆれる木の葉の音、自然の中にもいろいろな音にあふれていることが分かりました。
都会で暗やみを体験するのは難しいですが、子どもたちの目はとてもよく、怖がることもなく、暗やみをさまざまな角度から体験することができました。
■7月6日午前 「明神山登山」
2日目の午前は、富士山と山中湖の迫力ある眺望が楽しめる「明神山(1290m)」に登りました。朝一番では、スッキリ晴れ渡っていましたが、全員元気に頂上に立った頃は山頂が霧に覆われて、神秘的な体験が出来ました。眼下に山中湖、見上げれば富士山とダイナミックな眺望に大きな歓声が上がっていました。
■7月6日午後 「山中湖水辺の生きもの探し」
天候に恵まれて、水辺の生きもの探しには絶好のコンデションとなりました。グループ毎に捕獲アミやバケツなどを持って生きもの探しがスタート。腰まで浸かって活動する子供達は、色々な生きものを捕獲することが出来ました。最後に観察ケースに入れて全員で観察し、その後は湖に戻して、元気で育つようお祈りしました。
・小魚(ブラックバスの幼魚)
・オタマジャクシ
・アメンボウ
・ミズスマシ
・マツモムシ
・ヤゴ
・ハナムグリ
・マガモ
・他、名前が分からない昆虫
などなど、沢山の生きものが観察でき、山中湖の自然の豊かさを体験することが出来ました。
<リポート 関口、田中>
聖ヨゼフ学園小学校 サイト情報
小学校|聖ヨゼフ学園 (st-joseph.ac.jp)
2023-09-02 |
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猛暑続きの今年の夏。でも、そんな暑さに負けない元気な東星学園の4・5年生たちが夏期学校で富士山のふもとを訪れ、ハイキングを楽しみました。
東星学園さんは、コロナ禍のため、宿泊のある夏期学校は久しぶりです。4年生も5年生も初めての宿泊体験で、待ちに待った行事。今回のハイキングに向けて、朝のあいさつも大きな声が響きました。
今回のハイキングは、暑さ対策がカギとなりました。水分補給をこまめにとり、あわてずゆっくりと山頂を目指しました。コースは富士山の見晴らしが素晴らしい三湖台と、自然豊かな青木ヶ原樹海です。途中お昼も食べて、5時間ほどの長い行程でしたが、無事最後まで頑張ることができました。
三湖台は西湖と富士山との間にある山塊です。少しずつ登っていきましたが、暑さと慣れない山歩きに友だち同士お互いを励ましながら山頂を目指しました。「山登りは疲れる!きつい!」と、気持ちが落ち込みそうな子には、「大丈夫?アメ食べる?」と声を掛ける様子が何度も見られました。暑い中、一歩一歩確実に進んだ分、頂上に近づきます。
三湖台の頂上に到着すると、登りの疲れは吹き飛び、 「富士山が近い!」「湖がずっと下に見える」「森の緑の色っていろいろあるね」「ヤッホー」と次々歓声が上がりました。
下山では「転びそう!こわい!」という声も上がりましたが、「足の裏ではなくお腹に力を入れてバランスよく!」とアドバイスすると、「転ばなかった!」と喜んでくれました。子どもは身体の使い方を学ぶのが早いです。
樹海に入るとすぐに竜宮洞穴があります。地元の方々に大切に守られてきた洞穴です。洞穴内は入れませんが、穴の近くまで少しだけ降りると、ひんやりとした空気になり、暑さを和らげてくれました。「涼し~い。ずっとここにいた~い」と天然クーラーでひと休みできました。
そして、ゴールの西湖まで青木ヶ原樹海を観察しながら進みました。暑さも疲れもピークに達していたと思いますが、「三湖台の時と道も木も違うね」「ちょっと暗いかな」と、樹海の様子も感じとることができました。西湖が見えると「飛び込みたい!」と子どもたち。無事ゴールできた達成感を私たちも味わうことができました。
<リポート 関口東子>
東星学園小学校 サイト情報
小学校 | 東星学園 ホームページ (tosei.ed.jp)
2023-09-02 |
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聖ヨゼフ学園小学校様の1年生~4年生の各体験学習をNPO法人富士山ネイチャークラブがサポートしてきましたが、コロナによる制限で自粛されてきましたが、本年度より全面的に活動が再開されました。その第1弾で3年生が富士山麓で「自然体験学習」を実施しました。3年生は入学後初めての宿泊体験学習になりましたが、ずっと楽しみにしていた活動とのこと、子どもたちの積極的な活動が印象的でした。
■6月29日 「精進湖自然観察路」 自然学習
精進湖自然観察路は、富士山の側火山である長尾山中腹から流れた出た溶岩台地の中に作られた観察路です。スタート地点は樹海の深い森の中、大きな岩の山、大きな穴、少し歩いただけでまわりの光景は上下にうねった大地が続き、木々がうっそうと生い茂っています。暑い日でしたが、森の中は涼しいねと話しながら歩きました。
「富士山は火山だよ!」「山のでき方知っているよ!噴火して山になるもの、大地が盛り上がって山になるもの」と、ひとりの子どもさんが説明してくれました。先生も火山について詳しく話す子どもを見て驚き、とても感心していらっしゃいました。
そして不思議だなと思った所では、立ち止まりじっくり観察を行いました。先生が写真を撮り、みなでワイワイ話し合います。割れ目が入った大きな岩がたくさんありましたが、「すごい迫力だよね」「かっこいいよね」と、盛り上がっていました。道にもいろいろなものが落ちていて、何だろう?と見つけてくれました。木の実がふたつにきれいに割れているもの、葉っぱが小さくクルクルに丸まっているもの、エビフライのような形の松ぼっくり、など色々観察できました。
後半は、溶岩が湖に流れ込んだ様子が分かる湖畔沿を歩きました。小さな枕状の溶岩や入り組んだ溶岩流の形、水蒸気爆発でできた湾など、初めて見る自然の姿に歓声が上がっていました。聖ヨゼフ学園小学校の子どもたちは色々な気づきから発言も多く、他の人のお話しもしっかり聞くことができます。お互いに学び合う雰囲気が出来ています。
一人一人、富士山麓の大自然で体験し、学んだことは、今後の成長の礎になるでしょう。
■6月30日 「バードコール作り」
翌日は、記念の作品作りとして「バードコール」を作りました。自然木を加工し、ボルトをねじ込んで、ヒモを通し、最後に絵付けをして、世界で1つの作品作りを楽しみました。
<リポート 関口東子>
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2023-08-26 |
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附属浜松小学校5,6年生の「林間学校」が7月25日、26日、朝霧野外活動センターを拠点に実施されました。その初日、4つのコースに分かれて、自然体験活動が実施されました。
①二ツ塚コース
標高1,804㍍の二ツ塚登山に参加したのは34名。標高1,440メートルの富士山御殿場口新五合目を出発。登山道入り口の鳥居の前では、柏手を打って登山の安全を祈願しました。
登山開始からまもなく、樹林帯を抜けると一気に目の前が開けました。森林限界を超えたエリアです。吹き上がる風が心地良く、点在する高山植物の緑の葉がまぶしく感じます。青空と湧き上がる雲の中に富士山頂がそびえ、目指す二つ塚がその姿が目の前に飛び込んできました。さあ、本格的な登山の開始です。「え~遠い」「頂上が近くに見えてすぐ行けそうな気がする」などいろいろな声がありましたが、火山灰(スコリア)の小石をものともせずどんどん高度を上げていきます。5年生も負けじと体力のある6年生の背中を追いかけます。
登山開始から約1時間20分、靴ずれに苦しむ子どももいましたが、全員無事山頂に到着。広い山頂を飛び跳ねるように散策し、登頂の喜びを爆発させていました。
二ツ塚は側火山の噴火で出来た山。ガイドから山のなりたちを聞き、「なるほど」と納得した表情も見せてくれました。
下山は火山灰がより深い砂走りの道を進みます。火山灰はさらに深くザクザクで、足を付いてもブレーキが効きません。それならばと重力に任せ下ります。まるで走っているのも同然です。それが楽しいのか、脇の斜面に登っては下りるを繰り返す子どもたちもいました。
下山開始から約30分でもうバスが待つ駐車場に戻ってきました。手足、顔も火山灰で真っ黒クロスケ。でも、みな笑顔、笑顔です。「友達と登れて最高、また来たい」「高い山なのに昆虫がいてビックリ」「今度は(富士山)山頂を目指そうね」……と最高に満足した声がたくさん聞かれました。
<リポート 関口純>
②宝永火口コース
朝方浜松を出発した33名の子供達が元気に富士宮登山口5合目に到着しました。ここから富士山最大の噴火口である宝永火口を目指します。バスを降りると「ここは高いな- 富士山は大きい!」「空気の薄さは感じません」「風が気持ちいい」「景色が最高」などなど、第一印象の言葉が続き、これからの登山に向けて益々意気が高まっていました。
トイレを済ませ、準備体操を行い、高山病にならないための工夫、登山の注意事項を共有して、いよいよ出発です。新六合目の山小屋まで、ゆっくり登って行きます。
新六合目を過ぎるとイワツバメ、ミヤマオトコヤナギ、オンタデ、コタヌキラン、イワオウギ、コケモモ、などなどの高山植物が目を楽しませてくれました。
更に進むと、目の前に大迫力の宝永第一火口の噴火口(直径1200m)が現われ、一斉に大きな歓声が上がりました。そこから噴火口の底まで下って、それぞれが思い思い場所でこの瞬間を楽しみました。
帰路は、第二火口の縁まで下って、そこから富士を見上げながら宝永火口に別れを告げました。
全員無事に富士宮登山口五合目に戻ってきました。「今日は感動の連続だった」「高度に順応出来た」「宝永火口は想像を遥かに上回る規模だった」「とても楽しい登山でした」「2400mは涼しい」「来年もこのコースに来ます」などなど、充実の体験だったことを語ってくれました。
<リポート 田中>
③紅葉台/三湖台コース
当日は快晴の中、36名の子供達がスターチ地点の鳴沢氷穴に到着しました。青木ヶ原樹海から紅葉台、三湖台を目指します。青木ヶ原樹海は、864年に富士山の中腹から流れ出た溶岩台地に神秘的な原生林となったものです。樹海コースは木陰が続き夏でも涼しさを感じます。コース途中、キノコをいくつも発見、興味津々でした。鮮やかに開いたタマゴタケを発見。食べられるキノコや毒のキノコについて話しが盛り上がりました。
樹海を抜けると次は紅葉台へ。鹿が樹皮を食べた後やイノシンが土を掘った後、山椒の葉の香りを嗅いだりして、自然の営みを体験しました。カミキリムシも見つけました。
紅葉台のレストハウス展望台で一休み。ここの展望台に上り、くっきり見える富士山をバックに記念撮影。ここからの富士の眺望は大迫力です。麓まで伸びた稜線がとても綺麗ですね。
そして、今日の目的地、三湖台に元気に到着。広大な青木ヶ原樹海を一望し、当時の噴火の凄さを実感しました。溶岩流によって今の形になった西湖や本栖湖も確認することが出来ました。
<リポート 上岡>
④精進湖自然観察路コース
浜松を出発して11:30に到着した26名。まずは、精進湖の涼しい木陰で富士山と精進湖を眺めながらのお弁当タイム。
その後、湖畔にてレクチャー開始となりました。ここからの富士山は、最大の側火山大室山を抱く「子抱き富士」。これから湖のあちら側に行くんだよ。向こうに岸に広がっているのが、これから行く「青木ヶ原樹海」です。
この日の樹海は木漏れ日がきれいでした。両側に大きな溶岩の出っ張り(テュムラス=溶岩塚)や溶岩の陥没抗(溶岩チューブ)など、初めて見る千年前の富士山の噴火のダイナミズム。そんな中を歩いているだけでもテンションが上がります。
突然、目の前に湖が!
先ほど逆側から眺めた精進湖が森の中に広がります。「え? さっきと色が違う!」良い感性ですね。青かった湖がグリーンかかって見えるよ。
「釜畑」と名付けられた見学します。灼熱の溶岩流がかつての「せの海」に流れ込み水蒸気爆発して丸い湾のようになってしまいました。どれだけのエネルギーか想像もつきません。
やがてぐるりと自然観察路を周ると、再び富士山が。ここで記念撮影です。ゴールまで、あと少し。
やがてスタート地点に戻ってきましたが、ここからスペシャルな寄り道をします。最後に皆さまに見て頂きたかったのは・・・・・「溶岩ローブテュムラス」。 湖に長く伸びた溶岩流の真ん中がぱっくり割れて、そこを歩いて先端まで行きました。
千年前の噴火の爪痕? いえいえ贈り物? これだけ大胆な溶岩地形が残されているのは、ここ、湖だからです。最後は「精進湖組」で記念撮影して、14:30無事にコースは終了致しました。それぞれの胸に、樹海と湖と富士山の煌めきが今でも輝いていることでしょう。
<リポート 舟津川>
2023-08-15 |
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富士山麓で4日間に渡って「林間学校」を実施された日本大学藤沢中学校2年生、この間4つの自然体験プログラムをNPO法人富士山ネイチャークラブがサポートさせて頂きました。その活動の模様をリポートいたします。
■7月30日 「富士山吉田口登山(馬返し~スバルライン五合目)」
現在、登山者のほとんどは富士スバルライン五合目から富士山頂を目指しますが、今回のハイキングは富士山の麓「馬返し」からスタートし、富士スバルライン五合目がゴールです。富士山は神様・仏様が住む神聖な山として、古くから崇められてきました。江戸時代富士山を信仰する人々が歩いた巡礼路を辿りながら、富士山の自然を満喫しました。
スタート地点の馬返しは標高1450m。茹だるような暑さが続く麓とは違い、空気は冷んやりとしていて登山には最適のコンディションでした。
三合目では、眼前に広がる山々の景色を眺めながらのランチタイム。その昔富士山を信仰する人々も、三合目で食事休憩を取ったそうです。
途中、古富士の表面が露出している珍しい場所があり、水が染み込むかどうかの実験を行いました。実際に歩いてみなければわからない、富士山のユニークな地質・自然を体感しながら、歩みを進めていきました。
四合五勺からは岩場が多くなり、いよいよ本格的な登山道へ。空気も徐々に薄くなり疲労も溜まってきてはいましたが、全員無事標高2305m富士スバルライン五合目へゴールすることができました。スバルライン五合目では、標高差855mを完登した証しとして「登山証明書」、記念の「富士山バンダナ」が手渡されました。
■7月30日 「ナイトハイク」
19時、ホテルの玄関に集合しいよいよナイトハイクに出発です。今日のナイトハイクは懐中電灯を持っているのはガイドと先生のみ、生徒さんは自分の目を信じて行動します。先ずは薄明かりが残っている中、鳴沢ジラゴンノ溶岩流の様々な活動の形跡を観察しました。そして辺りが暗くなり始めたころ、ゆっくりと森の中に入っていきました。闇夜でも人間はどこまで見えるか、行動出来るかが、この体験のテーマです。「ソロウォ-ク」「静粛タイム」「森の散策」など 最後まで緊張の連続となる体験となりました。「見えた!」と言う人。「全く見えない!」と言う人、それぞれでしたが、お互いに協力することで、闇夜でも行動出来ることが体験出来ました。
■7月31日 「チームビルディング」
晴れ渡る富士山麓「鳴沢活き活き広場」でクラスを超えた学年全体の親交、連帯を深める「チームビルディング」を実施しました。
第1部「フレンドシップゲーム」、第2部「ネイチャーラリー」の2部構成で実施しましたがすべてクラスマッチ方式としました。学年全体の親交・連帯を図りつつ、クラスで活動成果を競う仕組です。生徒さん達は最後まで真剣勝負が続きました。
「フレンドシップゲーム」では、挨拶ゲーム、富士山クイズ、タイムセンスゲームなどでゲームを楽しみながら親交を深めました。とは言っても、活動の成果が点数化されるため、クラスごとに勝利を意識した活動が展開されました。
15分間のクーリング時間をとって、第2部の「ネイチャーラリー」がスタートです。ここからは5,6人のグループ活動になります。原始時代を想定した8つの課題に挑戦し頂きました。活動の模様を写真でご紹介します。
計3時間の活動があっという間に終了となりました。最後の最後までクラスの優勝を目指して真剣勝負している生徒さんたちの姿はとても精悍でした。原始時代に生きた前人たちの苦労や知恵が体験出来たと思います。そして、人の営みの原点がそこにあったことも実感頂けたと思います。
2組が圧倒的な点数で優勝となりました。おめでとうございました。当団体より表彰状を授与させて頂きました。
■7月31日 「鳴沢コウモリ穴 洞穴探検」
ここにはいくつかの洞穴が密集して存在します。グループに分かれて4つの洞穴の入洞体験と合せ、「富士山の溶岩の特徴」や「富士山に住む動物たち」のレクチャーも実施いたしました。自然のままの洞穴であり、入洞するには体力も身のこなし(工夫)も求められます。どうクリアーするか・・・グループ全員で知恵を出し合い、助け合う場面が随所で見られました。
■最後に
7月30日、31日の2日間に渡って、4つの自然体験プログラムをサポートさせて頂きましたが生徒さん一人一人にとってどんな体験になったでしょうか。
洞穴探検でライトを消して暗やみを体験する場面がありましたが、ある生徒さんから「全く見えない! でも先人達は見えていかかも。もしかして人間の身体機能は退化しているのではないか?」との指摘がありました。体験を通して率直に思い得た気づきの瞬間でした。
自然体験活動で見たもの、体験したものはすべて事実です。この事実から「新たな気づき」「疑問や課題の発見」「見方、考え方の変化」「創意工夫」などがあったとすれば、必ずや今後の成長への礎になることでしょう。 この2日間の体験活動が一人一人の生徒さんの成長の機会となったならば大変光栄です。日本大学藤沢中学校2年生の皆さん、2日間大変お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
<リポート 湯山、田中>
日本大学藤沢中学校 サイト情報
日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校 (nihon-u.ac.jp)
2023-08-15 |
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本年度から杉並区立小学校の内、29校の5年生が山中湖村を拠点にした「富士移動教室」を本格的にスタートしました。7月11日、夏休み前、前半最後の実施校となった井荻小学校様の活動の模様をリポートします。
■明神山登山コースの構成
第1区間:登山道に入る前の平坦路
第2区間:緩やかな登り
第3区間:急な登り
第4区間:緩やかな下り・登りで明神山頂上に至る
第5区間:頂上から急な下りでゴール
となっており、とても変化に富んでいるコースです。そしてなんと言っても明神山頂上での大パノラマが待っています。
■また、多彩な自然観察が出来ます。
◇山の出来方
明神山は丹沢山地に属し、約500万年前フィリピン海プレートに乗って太平洋沖合から接岸した山、一方、現在の富士山は約1万年前に噴火して出来た山。この違いを対比して観察します。
◇標高1000mの植物
・広葉樹(ブナ、ミズナラ、ヤブウツギ、ツクバネウツギ、アブラチャン、ゴマギ、ヤマツツジ、ミツバツツジ、マユミ、サンショウ・・・)
・針葉樹(アカマツ、カラマツ、モミ、ヒノキ・・・)
・野草(マムシグサ、トリカブト、フタリシズカ、バイケイソウ、リンドウ・・・)
・その他(キノコ各種、サルオガセ、苔類・・・)
◇動物(痕跡)、野鳥
・シカ、イノシシ、タヌキ、リス、ムササビ、ヒガラ、キビタキ、ウグイス・・・
井萩小学校の5年生約80名が登山道入口でバスから降りると、目の前には、今日登る明神山の登山ルート全体が視界に入ってきました。はやる気持ちを押さえながら、先ずは「準備体操」を行って体をほぐします。9:00にスタート、しばらくは平坦な道を山に向かって歩いて行きます。途中、サンショウやゴマギなどの香りを楽しみました。
登山道に差し掛かると、「ナラ枯れ」の状況を観察したり、シカの骨を発見したり、マムシグサ、トリカブト、フタリシズカ などが現われ、森の営みを体験することが出来ました。ブナ林では、ブナの実を拾って、「これは、熊の大好物だよ」との説明に、「これでお腹いっぱい食べるのは大変だなー」との感想が。
「切通峠」で一休み、明神山の尾根を目指して上がって行きます。
尾根に到着すると、いよいよここからこのコースで最大の難所(急な登り)に挑戦します。井荻小の子供達は、クラス毎に一丸となって登っていきました。途中疲れた生徒さんの荷物を持ってあげたり、お互いに励まし合ったりと、クラス全体が協力し合って登っていく姿はとても感動的でした。挑戦は成長の源泉!を強く感じる場面でした。
急登を過ぎると、下り道になり、疲れも一気に回復し、元気に頂上を目指しました。緩やかな登山道では会話も弾みました。「今日の登山は本当に楽しい」「色々自然を学べた」「ここの自然はとても気持ちが良い」「思ったより頑張ることが出来た」「自分の体力に自信がついた」「次は両親と登りたい」などなど、体験中の印象を素直に表現してくれました。
歩き始めて2時間45分、目指した明神山の頂上に全員元気に到着しました。大パノラマの出現に大きな歓声が上がりました。頑張って、苦労して登ってきたことがより大きな感動につながったと思います。
「日本とは思えない景色だ」「初めて体験する景色だ」「一気に疲れがふっ飛んだ」「富士山が綺麗」「山中湖はクジラの形だ」などなど、この場に立って初めて出てくる言葉が続きました。
田中校長先生から「このコースは、とても教育的効果が高い」とのコメントを頂き、案内したスタッフ一同の大きな励みとなりました。9月から、後半の活動が始まります。この体験が子供達一人一人にとって成長の機会となるよう全力でサポートしていきたいと思います。
<リポート 田中>